ゴビ砂漠(読み)ゴビサバク(その他表記)Gobi

翻訳|Gobi

デジタル大辞泉 「ゴビ砂漠」の意味・読み・例文・類語

ゴビ‐さばく【ゴビ砂漠】

ゴビ

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精選版 日本国語大辞典 「ゴビ砂漠」の意味・読み・例文・類語

ゴビ‐さばく【ゴビ砂漠】

  1. ( ゴビは[モンゴル語] Gobi 草がまばらで砂と小石の多い荒地の意 ) 中国、内モンゴル自治区北部からモンゴル南部にまたがり、モンゴル高原を占める砂漠。大部分岩石砂漠で、遊牧が営まれ、油田、炭田の開発が進む。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴビ砂漠」の意味・わかりやすい解説

ゴビ砂漠
ごびさばく
Gobi

中国とモンゴルにまたがり、モンゴル高原の中央部以西に広がる砂漠性ステップ(短草草原)と砂漠。ゴビとは、モンゴル語で、本来、森林・流水が乏しく、草が短くまばらであり、砂と小石が多い土壌をもち、タルバガン(リス科の哺乳(ほにゅう)類)の生息していない所を意味する普通名詞である。現在、中央アジア中部以東のこのような所は、ゴビ砂漠でない場所でもゴビと称している。中国では戈壁(ゴビ)と表記する。固有名詞としてのゴビ砂漠は、東はモンゴル東部の東部大平原の純ステップ地帯に接し、北はハンガイ、ヘンテイ両山脈南方を東西に延びる純ステップ地帯に接し、西はタクリマカン砂漠に接し、南は陰山(いんざん/インシャン)、祁連(きれん/チーリエン)両山脈の山岳森林ステップに接する。そしてその内部が固有の名称をもつ多くのゴビに細分される。

[吉田順一]

気候・地形

標高は900~1200メートルで西高東低であり、モンゴル高原においてもっとも低い地帯である。大陸性気候が支配し、気温の日較差、年較差が著しい。年較差は85℃(最高気温は7月の45℃、最低気温は1月の零下40℃)に達する。モンゴル側は、7月の平均気温は20℃前後、1月のそれは零下18℃、最高気温は41℃、最低気温は零下48℃である。また同地域の風速は平均3.5メートル、最大34メートルである。ゴビ砂漠の年降水量は200~250ミリメートル以下(モンゴル側は平均148ミリメートル)である。そして年降水量100ミリメートル以上の地域の多くは砂漠性ステップ、100ミリメートル以下の地域の多くは砂漠となる。ゴビの中部以西はアルタイ山脈によって二分されるが、東部とこの山脈の北側の、ウブス湖周辺にまで広がるゴビの多くは、砂漠性ステップ、アルタイ山脈以南の大半は砂漠である。後者は前者より内陸に位置し、乾燥の度が強い。ゴビ砂漠の特徴は、広く砂利石に覆われていることにある。砂丘も存在するが、それは砂漠性ステップに多い。またソーダの涸(か)れ池、含有地が多い。モンゴルにおいてゴビ砂漠の占める割合は41.6%、このうち砂漠性ステップが27.1%、砂漠が14.5%である。

[吉田順一]

生息動物と牧畜

ゴビ砂漠には、かつてステップ全域に広く生息していたが、いまは希少となった動物が残っている。野生ロバ(クラン)、野生ラクダ(ハプトガイ)、コウジョウセンガゼル(ハル・スールト・ゼール)、サイガ(ボホン)などである。野生ウマ(タヒ、プシバルスキーウマ)は近年発見されていない。これら以外の動物としてレイヨウ(ゼール、黄羊)、野生ヤギ(ヤンギル)、野生ヒツジ(アルガル)がかなりおり、変わったものとしてはゴビヒグマ(マザーライ)、ユキヒョウ(イルベス)がいる。ゴビ砂漠の草は、丈が短く生え方はまばらであるが、ほかのステップすなわち森林ステップや純ステップの草に比べて養分はもっとも高い。またゴビ砂漠には家畜の飼料として不可欠であるソーダが多い。そこでゴビは水さえあれば良好な牧草地となりうる。水は多くの場合、泉または井戸から得る。こうしてゴビ砂漠には、ほかのステップに比べるとヒツジがかなり少なく、乾燥に弱いウシはずっと少ないが、ウマはけっして少ないとはいえずヤギとラクダが断然多い。モンゴルの場合についてみると、同国のヤギの50%、ラクダの70~75%がゴビ砂漠で飼育されている。砂漠は砂漠性ステップより牧地として劣るが、ラクダの飼育には適している。こうみると、ゴビ砂漠は普通考えられているほど不毛の地ではなく、ほかのステップに対し、それなりに特色のある遊牧が営まれる土地と評価される。

[吉田順一]


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改訂新版 世界大百科事典 「ゴビ砂漠」の意味・わかりやすい解説

ゴビ砂漠 (ゴビさばく)
Gobi

〈ゴビ〉とはモンゴル語で〈草がまばらに生え,若干の動物が生息する荒れ地〉を意味する普通名詞であるが,一般にモンゴル南部から中国内モンゴル自治区北部,甘粛省の一部にかけての地域をゴビ砂漠と呼んでいる。この地は海抜1000m前後の高原で,西部に砂丘が少しあるほかは,大部分が砂礫のひろがるステップである。気候は大陸性で,1月平均気温は約-20℃,7月のそれは20℃以上,降水量は西部で50~70mm,北部や南東部で200mm前後,その周辺で300~400mmである。周辺山地からの河川は,涸川になったりあるいは塩湖に流入する。化石を含む堆積岩層や旧・新石器時代の遺跡の存在などから,かつては湿潤気候の時期があったと考えられている。古くから遊牧がおこなわれ,今日でもヒツジ,ヤギを主に盛んであり,また,比較的肥沃な南東部では農地が発展している。そのほか,石炭,石油などの開発もみられる。
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百科事典マイペディア 「ゴビ砂漠」の意味・わかりやすい解説

ゴビ砂漠【ゴビさばく】

ゴビはモンゴル語で砂礫(されき)を含むステップの意。モンゴルから中国内モンゴル自治区,甘粛省に広がり,延長約1500km,標高1000〜1500m。周辺を山脈で囲まれ乾燥度が高く,気温の年変化・日変化が大きい。ゴビ東部は湿潤度が高くなり草原地帯もみられる。河川は黄河を除いてはすべて内陸川で砂漠周辺の塩湖に注ぐ。
→関連項目外モンゴル中央アジアモンゴル

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旺文社世界史事典 三訂版 「ゴビ砂漠」の解説

ゴビ砂漠
ゴビさばく
Gobi Desert

モンゴルから中国北西部に広がる砂漠
ゴビとはモンゴル語で「砂漠」の意。砂丘は少なく,大部分は広大な不毛の荒地で,ところどころに平坦な草地もある。周辺の草原には古くよりモンゴル人などの遊牧が行われ,漢民族居住地域に接しているので,中国との交流の歴史も古い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴビ砂漠」の意味・わかりやすい解説

ゴビ砂漠
ゴビさばく

「ゴビ」のページをご覧ください。

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