サイイド・アフマド・ハーン(英語表記)Sayyid Ahmad Khān

山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

サイイド・アフマド・ハーン
Syed Ahmad Khan

1817~98

インド・ムスリムの社会改革家。代々ムガル宮廷に仕える名家に生まれたが,宮廷には出仕せず,イギリス東インド会社に奉職した。宗教の面では,コーランの教えと近代的な科学法則とが共通することを示そうとするなど,イスラーム近代主義的な解釈をした。同時に北インドの上層ムスリムの間に,英語による西欧式の教育を普及させることに努め,74年にはアリーガルにアングロ・ムハマダン・オリエンタル・カレッジを設立した。ハーンが推進した近代主義的な改革運動はアリーガル運動と呼ばれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

サイイド・アフマド・ハーン
Sayyid Ahmad Khān

[生]1817.10.17. デリー
[没]1898.3.27. アリーガル
インドのイスラム学者,教育者。ムガル宮廷の名家に生れ,イギリス植民地政府の属吏をつとめ,インド大反乱を目撃して,その原因論を書いた。退職後,イスラム教徒の教育に努め,1875年にアリーガルに大学を創設し (→アリーガル大学 ) ,西欧的な高等教育を施した。またイスラム教徒の社会改革にも尽力し,85年のインド国民会議の開催にあたっては,イスラム教徒の権益を主張して参加せず,アリーガルで独自の組織をつくった。

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