出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
スペインの作曲家、バイオリン奏者。パンプロナ生まれ。神童として早くから知られ、12歳でパリ音楽院に入学、卒業後はヨーロッパから南北アメリカにまで演奏旅行をし、パガニーニ以来の巨匠として名声を誇った。美しい音色と超人的な技巧が結び付いた演奏は、同時代の作曲家にも強い衝撃を与え、ラロの『スペイン交響曲』、ブルッフの協奏曲第2番、サン・サーンスの『序奏とロンド・カプリチオーゾ』などが彼に捧(ささ)げられた。サラサーテは『チゴイネルワイゼン』(1878)の作曲家として有名であるが、作品はスペインの民謡や舞曲(マラゲーニャ、ハバネラ、ナバラのホタ、サパテアードなど)、あるいはスペインの歌劇の旋律を用いたものが多い。代表作に『スペイン舞曲』(1878~82)、『カルメン幻想曲』(1883)などがある。
[関根敏子]
スペインのバイオリン奏者,作曲家。5歳よりバイオリンを始め,8歳で公開演奏会を行う神童ぶりを示した。イサベル2世からストラディバリを授与され,その援助により1856年から4年間パリ音楽院でD.アラールに学んだ。甘美で澄んだ音色と完璧な技巧で知られ,ブルッフの《バイオリン協奏曲第2番》,サン・サーンスの《バイオリン協奏曲第3番》および《序奏とロンド・カプリチオーソ》,ラロの《スペイン交響曲》,ビエニアフスキの《バイオリン協奏曲第2番》などは彼に捧げられたものである。自身の作品としては《チゴイネルワイゼン》(1878)が有名。
執筆者:片山 千佳子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…メンデルスゾーンの《バイオリン協奏曲》にはダーフィトFerdinand David(1810‐73)が協力し,J.ヨアヒムのためには,シューマン,ブルッフ,ブラームス,ドボルジャークなどが優れた協奏曲を書いている。高度の名人芸を優れた音楽性に結びつけようとした19世紀後半のバイオリン曲には,同時代の名演奏家P.deサラサーテにささげられたE.ラロの《スペイン協奏曲》(1873)やサン・サーンスの《バイオリン協奏曲第3番》(1880),またソナタとしては,ブラームスの3曲(1879,86,88),ベルギーの名手E.A.イザイエにささげられたC.フランクの傑作(1886),ノルウェーの抒情性に富んだE.グリーグの第3番(1887)などがあり,今日の演奏会の重要な曲目を形成している。 調性を離れた革新的な作曲語法の探究という20世紀音楽のおもな潮流は,バイオリンの旋律的性格とは異質な音響世界の構築へと向かった。…
※「サラサーテ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新