日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルッフ」の意味・わかりやすい解説
ブルッフ
ぶるっふ
Max Bruch
(1838―1920)
ドイツの作曲家。作曲と音楽理論をヒラーに、ピアノをライネッケに師事する。1858年から生地ケルンで作曲活動を開始。その後、ドイツ各地、ウィーン、リバプールなどで作曲家、指揮者として活躍。1891~1910年ベルリン芸術アカデミーで作曲のマスタークラスの教授を務める。ブルッフの音楽は、旋律の豊かさとさまざまな国の民俗的素材を取り入れた叙事詩的表現に特徴がある。生前には『美しきエレン』『オデュッセウス』『鐘の歌』などの世俗合唱曲の作曲家として名をなしたが、今日では三曲のバイオリン協奏曲、とくに第一番ト短調(1866)、ヘブライの旋律によるチェロとオーケストラのための『コル・ニドライ』(1881)などが親しまれている。
[寺田兼文]