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サルビア(英語表記)Salvia splendens; scarlet sage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サルビア
Salvia splendens; scarlet sage

サルビアは本来はシソ科アキギリ属の属名で,この属の植物は新旧両大陸の温帯から熱帯に 600種も知られる。赤,紫,白,黄などのやや大きな唇形花を穂状につけ,美しいものが多いので観賞用に栽培される種類もいくつかある。そのうち,通常,単にサルビアの名で呼ばれるのは,ブラジル原産のヒゴロモソウ (緋衣草) S. splendensで日本には明治中期に輸入され,最も普通に花壇に栽植される草花の一つとなった。草丈は 60~80cmとなり,茎は四角柱で,鈍鋸歯のあるシソに似た卵形濃緑色の葉が,長柄によって対生する。夏,枝先に総状花序を出し,霜のおりる頃まで緋紅色の花を次々と横または下向きにつける。萼は硬く鐘状で先が5つに裂け,濃い緋赤色で花冠の落下後も残る。花冠は長い筒状で長さ 3cmぐらいあり,上下2唇は前方に伸びる。このほか全体に小型なベニバナサルビアや,青色花をつけるソライロサルビアも観賞用に栽培される。

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デジタル大辞泉の解説

サルビア(〈ラテン〉Salvia)

シソ科アキギリ属の多年草の総称。500種以上が温帯・熱帯に広く分布。薬用・香辛料・観賞用として栽培される種類もある。 夏》セージ
シソ科の小低木。日本では一年草。夏から秋に、緋色の唇形の花を穂状につける。ブラジルの原産。緋衣草(ひごろもそう)。

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百科事典マイペディアの解説

サルビア

シソ科の一属で,一般には薬用にするセージ,または観賞用に栽培される数種をさす。最も普通に花壇植にされているサルビア・スプレンデンス(和名ヒゴロモソウ)は原産地のブラジルでは低木状多年草だが,日本では春まきの一年草として扱われている。高さ50〜80cmで,鋸歯(きょし)のある卵形の葉を対生。夏〜秋,茎頂に長い穂状に花をつける。萼(がく)とともに朱紅色をした花冠は先が唇形(しんけい)になった筒状。矮(わい)性〜高性のほか,花色も紫・桃・白色の品種がある。サルビア・パテンス(和名ソライロサルビア)は青色の花が咲くメキシコ原産の多年草で,冬は温室内で保護する。サルビア・ホルミナム(和名ムラサキサルビア)は南欧原産の一年草で,花は紫色。サルビア・コクシネア(和名ベニバナサルビア)は北米南部から熱帯アメリカ原産の多年草で,花は深紅色。サルビア・ファリナセア(和名ブルーサルビア)は北米のテキサス原産の多年草で,花は粉白を帯びた紫青色である。
→関連項目合弁花

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世界大百科事典 第2版の解説

サルビア【scarlet sage】

シソ科アキギリ属Salviaの植物は南・北半球の温帯地方に700種もあり,一・二年草も多年草も含まれているが,一般に最もよく知られているのは,緋紅色の花が美しいこの種である(イラスト)。和名をヒゴロモソウという。原産地はブラジルで,高さ1mをこえる低木状の多年草であるが,改良された園芸種をふくめて,日本では冬の寒さで枯れるから春まき一年草として栽培される。温室では数年枯れずに生育する。茎は方形で直立し,よく分枝して,在来種短日で花芽分化して10月以降に開花する。

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大辞林 第三版の解説

サルビア【Salvia】

シソ科の多年草。ブラジル原産。花壇などに植える。高さ約60センチメートル。茎は四角で、卵形の葉を対生。夏から秋にかけ、茎頂の花序に朱紅色の唇形花を総状につける。緋衣草ひごろもそう[季] 夏。
シソ科サルビア属のうち観賞用に栽培される種類の総称。ヒゴロモソウ・ベニバナサルビア・ケショウサルビアなど。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サルビア
さるびあ
[学]Salvia

シソ科サルビア属の総称で、低木性の多年草。中南米、ヨーロッパの地中海沿岸原産で世界に約500種分布する。一般によく栽培されるのはブラジル原産のヒゴロモソウS. splendens Sellaで、夏の花壇によく植えられる。園芸上は春播(ま)き一年草として扱われ、草丈は30~40センチメートルの矮性(わいせい)種から50~70センチメートルの中高性種まである。葉は対生し、広披針(こうひしん)形。夏、分枝した頂部に唇形花を穂状につける。花色は赤色系が多いが、品種改良が進み、緋(ひ)赤、桃、紫、白、朱赤、複色まである。近年の品種には矮性のドレスパレードのシリーズがあり、花色が豊富で、混植花壇に植えられる。ほかにボンファイア、セントジョンズファイアなど緋赤色系の品種もある。
 ケショウサルビアS. farinacea Benthはニュー・メキシコ原産で、春播き一年草とされる。明るい青紫色の小花が穂状につき、花穂は細いが穂数が多い。近年、矮性のビクトリア種がつくられた。ソライロサルビアS. patens Cav.は、花は淡青色で、花数は多くはないが、珍しい種類である。
 サルビア属にはこのほか、観賞用以外に薬用や香辛料とするセージがある。[金子勝巳]

栽培

繁殖は実生(みしょう)によるが、発芽はあまりよくない。4~5月、播床(まきどこ)に3ミリメートルほどの深さに種を播き、軽く覆土し、発芽するまでは表面が乾かないようにする。発芽後、本葉6~7枚のころ、日当りと排水のよい所に、20~30センチメートル間隔で移植する。元肥を十分に施し、水も十分に与える。夏の花期が終わったら全体を軽く刈り込み、1平方メートル当り50~80グラムの化成肥料を追肥として施すと、秋から霜が降りるまで咲き続ける。花壇のほか、プランター植えでテラスやバルコニーなどでもよく栽培される。幼苗期に立枯病にかかったり、ヨトウムシの害を受けやすいので注意を要する。[金子勝巳]

文化史

サルビア属は世界に広く分布するが、園芸種のサルビアはブラジル南部の原産で1822年に発表され、同年にはイギリスに伝わっていた。原地では低木状の多年草であるが、一年草に改良されて温帯での栽培が可能になった。日本へは明治20年代以降に渡来したらしく、明治19年(1886)の小石川植物園の植物目録には、サルビアとしてサルヒヤ(香辛野菜のセージ)、ベニノサルヒヤ(北米産のベニバナサルビア)の2種の名があるだけで、現在のサルビアの名はない。昭和に入って普及し、花壇に欠かせない花となった。[湯浅浩史]
『西川綾子著『サルビア NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月』(2001・日本放送出版協会)』

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