サンクトペテルブルグ大学(読み)サンクトペテルブルグだいがく

改訂新版 世界大百科事典 の解説

サンクト・ペテルブルグ大学 (サンクトペテルブルグだいがく)
Sankt-Peterburgskii universitet

ロシア連邦の大学。ペテルブルグに1819年に開設され,ソ連時代にはレニングラード大学(1948年以降正式にはA.A. ジダーノフ記念国立レニングラード大学Leningradskii gosudarstvennyi universitet imeni A.A.Zhdanova,(略称LGU(エリゲーウー)))と呼ばれたが,1991年旧称に復した。帝政時代からロシア文化の中心的機関としてその文化的・社会的発展に貢献してきた。

 19世紀から20世紀にかけての有名教授には,化学者D.I.メンデレーエフ,物理学者H.F.E.レンツ,生理学者I.M.セチェノフ,土壌学者V.V.ドクチャーエフ,言語学者A.A.シャフマトフ,東洋学者V.R.ローゼン,V.V.バルトリド,フランス史家N.I.カレーエフらがいた。ここで学んだ有名人には,革命的思想家チェルヌイシェフスキー,急進的批評家ピーサレフ,生理学者パブロフ,植物学者チミリャーゼフ,病理学者I.I.メチニコフ,作家ツルゲーネフ,画家ベヌア,W.N.ゲー,ユートピア社会主義者M.V.ペトラシェフスキー,レーニンの兄A.I.ウリヤーノフらがいる。ソビエト時代には,天文学者V.A.アンバルツミャーン,数学者I.M.ビノグラードフ,物理学者D.S.ロジェストベンスキー,化学者B.P.ニコリスキー,歴史家グレコフ,タルレらを輩出した。

 1996年にその学部は,物理,数学・機械,応用数学,化学,生物・土壌学,地質地理・地球生態,歴史,哲学,言語,東洋語,経済,心理,ジャーナリズム,法律,国際関係,社会学の合計17で,付属研究所10,博物館2,図書館(蔵書量400万冊以上)をもつ。学生総数1万7000人,教員数合計2200人,約400人の教授を擁し,独自の学風を誇っている。大学の定期刊行物としては7シリーズの《報告Vestnik》と《法学》を発行している。大学本部の建物は,ワシレフスキー島の南岸,ネバ川のほとりにロシア科学アカデミー・レニングラード支部の建物と並んで建っている。創立以来の古いもので,旧都の面影を残している。
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大学事典 の解説

サンクト・ペテルブルグ大学[ロシア]
サンクト・ペテルブルグだいがく

ロシアの名門大学で,現在24の学部とその他カレッジ等からなり,モスクワ大学とともに国家を代表する独自の地位を付与される。起源は1724年のサンクト・ペテルブルグ科学アカデミー(ロシア)の付属大学とされる。大学として独立(1819年)の経緯については論争が続く。ワシーリー島のネヴァ河畔で開学し今も本部等を置くが,自然科学系学部・施設は南のペトロドヴォレツ地区ほかにある。2014年現在,学生約3万2000人,職員1万3000人,教員約6000人を擁す。大学の公式名称は政治に翻弄されて目まぐるしく変わり,レニングラード大学とも称したが,1991年以降は現在名。研究では18世紀以来,東洋諸語部門は有名だったが,近年はナノテクノロジー,生物医学,経営・経営工学などに力を入れる。著名出身者には,作家ではツルゲーネフ,学者ではメンデレーエフ,パヴロフ,Y. ロトマン,ランダウ,ペレリマン,政治家ではレーニン,プーチン,メドヴェージェフ,音楽家ではストラヴィンスキーなどがおり,ノーベル賞受賞者数ではロシア最多。受験生に人気は高い。
著者: 所伸一

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

サンクトペテルブルグ大学
サンクトペテルブルグだいがく
Sankt-Peterburgskii Gosudarstvennyi Universitet

ロシアの国立大学。ペテルブルグの中央師範学校を母体に,1819年に創設。都市名がレニングラードであった 1924~91年の間はレニングラード大学と称した。設立当初は哲学・法学,史学・言語学,物理学・数学の3学部であったが,1854年に東洋学部が増設され,モスクワ大学と並び同国を代表する大学となった。第2次世界大戦中,一時サラトフに疎開していたが,戦後,壊滅した校舎は完全に復旧された。歴史学,言語学,東洋学,哲学,心理学,法学,経済学,数学・機械学,応用数学,物理学,化学,生物学・土壌学,地質学,地理学,ジャーナリズム,社会学などの学部のほかに,外国人向けのロシア語学部や,生物学,化学などの研究所がある。教員数約 2200名,学生数約1万 6600名 (1997) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サンクト・ペテルブルグ大学
さんくとぺてるぶるぐだいがく

ペテルブルグ大学

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