サンマロ(その他表記)Saint-Malo

デジタル大辞泉 「サンマロ」の意味・読み・例文・類語

サン‐マロ(Saint-Malo)

フランス北西部、ブルターニュ地方、イル‐エ‐ビレーヌ県の都市。ランス川の河口に位置し、イギリス海峡サンマロ湾を望む。16世紀にはコルセールとよばれる海賊私掠船が活動し、同国随一の港町として栄えた。12世紀建造の城壁に囲まれた旧市街には、現在博物館になっている15世紀のサンマロ城、サンバンサン大聖堂などの歴史的建造物がある。沖合のグランベ島とプチベ島には干潮時に歩いて渡ることができる。ロマン派の作家シャトーブリアンの生地で、グランべ島に墓がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「サンマロ」の意味・わかりやすい解説

サン・マロ
Saint-Malo

フランス西部,ブルターニュ半島北岸の港町で,海浜保養地。人口4万9000(1990)。1967年に陸繫島のサン・マロとサン・セルバン,パラメが合併。ローマ時代以来,サン・セルバン地区のアレトが行政中心地として栄えたが,ノルマンの侵入を防ぎやすいサン・マロ島に人々が次第に移り,1144年に司教座も移転した。この島部は12世紀の城壁に囲まれ,第2次大戦で壊された市街も昔のままに再建され,中世面影を伝えている。干潮時に陸続きとなる沖のグランド・ベ島(ベはブルトン語のベズ,墓の意)にシャトーブリアンの墓がある。サン・マロとアレトの間に閘門式の港があり,アレトには第2次大戦中ドイツ軍も利用した18世紀の要塞が残る。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンマロ」の意味・わかりやすい解説

サンマロ
Saint-Malo

フランス西部,ブルターニュ地方,イルエビレーヌ県にある都市。サンマロ湾に注ぐランス川河口三角江の右岸に位置する。リンゴ,ジャガイモ,カリフラワーなどを輸出し,石炭木材,ワインなどを輸入する貿易港で,北洋タラ漁トロール船団の基地でもある。聖バンサン聖堂 (12~17世紀) ,14~15世紀の城 (内部に歴史博物館がある) ,裁判所,市を囲む塁壁 (12世紀) などの古い建造物が残り,砂浜,プール,カジノその他各種行楽施設の整った重要な観光地で,鉄道,道路によりレンヌと結ばれ,チャネル諸島ジャージーおよびイギリスのサウサンプトンとの間には船便がある。作家 F.シャトーブリアンの生地。 1967年,市の西方約 10kmのランス川三角江にダムが建設され,潮汐発電が行われている。人口4万 9274 (1990) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンマロ」の意味・わかりやすい解説

サン・マロ
さんまろ
Saint-Malo

フランス北西部、イール・エ・ビレーヌ県の都市。人口5万0675(1999)。パリの西方369キロメートル、ランス川河口の半島上にあり、イギリス海峡サン・マロ湾に臨む漁港(タラ漁中心)を有する。16~19世紀には、イギリス人海賊との戦いが行われたことで有名。19~20世紀初頭には、重要な漁港であった。12世紀の城壁、15世紀の城、歴史博物館など歴史的な建造物が多い。第二次世界大戦により市域は被害を受けたが修復された。海水浴場の適地でもあり、この地域の観光の中心地となっている。近くにあるグラン・ベ島には作家シャトーブリアンの墓があり、陸側から島までは、引き潮の際には陸伝いに渡ることができる。

[高橋伸夫]

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