フランス西部,ブルターニュ半島北岸の港町で,海浜保養地。人口4万9000(1990)。1967年に陸繫島のサン・マロとサン・セルバン,パラメが合併。ローマ時代以来,サン・セルバン地区のアレトが行政中心地として栄えたが,ノルマンの侵入を防ぎやすいサン・マロ島に人々が次第に移り,1144年に司教座も移転した。この島部は12世紀の城壁に囲まれ,第2次大戦で壊された市街も昔のままに再建され,中世の面影を伝えている。干潮時に陸続きとなる沖のグランド・ベ島(ベはブルトン語のベズ,墓の意)にシャトーブリアンの墓がある。サン・マロとアレトの間に閘門式の港があり,アレトには第2次大戦中ドイツ軍も利用した18世紀の要塞が残る。
執筆者:田辺 裕
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フランス北西部、イール・エ・ビレーヌ県の都市。人口5万0675(1999)。パリの西方369キロメートル、ランス川河口の半島上にあり、イギリス海峡サン・マロ湾に臨む漁港(タラ漁中心)を有する。16~19世紀には、イギリス人海賊との戦いが行われたことで有名。19~20世紀初頭には、重要な漁港であった。12世紀の城壁、15世紀の城、歴史博物館など歴史的な建造物が多い。第二次世界大戦により市域は被害を受けたが修復された。海水浴場の適地でもあり、この地域の観光の中心地となっている。近くにあるグラン・ベ島には作家シャトーブリアンの墓があり、陸側から島までは、引き潮の際には陸伝いに渡ることができる。
[高橋伸夫]
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