翻訳|shelter
避難所,掩護(えんご)物,防空壕などをいう。原子爆弾の出現にともなって,一般には原子爆弾に対する避難壕をさすようになった。通常爆弾の場合,爆弾の直撃,破片およびこれにともなう建造物などの破壊,爆風から身体を保護すれば足りるが,原子爆弾の場合は,その作用が強大であるばかりでなく,放射線という透過性と持久性のあるやっかいなものから身を守る必要が生じる。1981年における各国の市民用シェルターの数はアメリカ1億人分,ソ連1億8000万人分,スイス540万人分,スウェーデン700万人分といわれている。
シェルターは次のような構造を具備することが必要といわれている。(1)強固な外壁で外部と遮断される気密室を構成する。(2)室内圧力を外気圧より高めに保つように,ろ過した清浄空気を給気する。(3)出入口にはエアロックを設け,二重の強固な防護ドアで外気の直接侵入を防ぐ。(4)2~3週間の生活機能と救急施設を備える。以上のように完全でないにしても,地下鉄構内,地下駐車場,個人住宅の地下室などは若干の付加施設によって核防護シェルターとして機能させることが可能である。
執筆者:生田 惇
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…また両国は1968年には核不拡散条約に調印,核兵器を保有・製造しない方針を明らかにしている。両国は〈総力防衛〉の防衛政策のもとで,侵略に対しては全国民を動員して国内で抵抗する防衛戦略をとり,核攻撃に対してはシェルター(退避壕)による民間防衛を重視する特殊な対抗策をとっている。 1960年代,スイス,スウェーデン両国で核兵器の保有をめぐる論争が行われた。…
※「シェルター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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