デジタル大辞泉 「しむ」の意味・読み・例文・類語
しむ[助動]
1 使役の意を表す。…せる。…させる。
「人を感動せしむること、真なるかな」〈去来抄・先師評〉
2 (多く「たまう」などの尊敬の意を表す語を伴って)尊敬の意を強める。…なさる。…あそばす。
「やがて山崎にて出家せしめ給ひて」〈大鏡・時平〉
3 (謙譲の動詞とともに用いて)謙譲の意を強める。→さす →させる →す →せる
「家貧ならむ折は御寺に申し文を奉らしめむとなむ」〈大鏡・道長上〉
[補説]上代は1の用法だけで、2・3は平安時代に入って生じた。平安時代以降は、漢文訓読文に多く用いられる。中世では、「見る」「得る」などには「見せしむ」「得せしむ」の形をとる。口語形「しめる」。