シャーマニズム(読み)しゃーまにずむ(英語表記)shamanism

翻訳|shamanism

デジタル大辞泉 「シャーマニズム」の意味・読み・例文・類語

シャーマニズム(shamanism)

シャーマン中心とする宗教現象。大きく脱魂型と憑依ひょうい型の二つがあるとされる。北アジア・北欧シベリアモンゴル中国朝鮮日本など世界各地に広く分布している。巫術ふじゅつシャマニズム

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精選版 日本国語大辞典 「シャーマニズム」の意味・読み・例文・類語

シャーマニズム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] shamanism ) シベリア北部の原住諸民族が創始し、極東地方に伝わったとされる原始宗教の一つ。シャーマンと呼ばれる巫女、あるいは巫者が、厳格な修行によって神や精霊と直接交わる能力を得、一種没我境地なか悪霊病魔を追い払い、吉凶の判断、予言などを行なうもの。日本の原始宗教もその流れを汲むともいわれる。

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知恵蔵 「シャーマニズム」の解説

シャーマニズム

神や霊魂と直接に接触・交流し、託宣、予言、病気治しなどを行う宗教的職能者をシャーマン(shaman)、シャーマンを中心とした信仰をシャーマニズムという。シャーマンが神や霊魂と接触・交流する形態は、「憑依(ひょうい)」(possession)と「脱魂(だつこん)」(ecstasy)の2種類ある。前者は、神や霊魂がシャーマンの身体に入り込み、シャーマンの口を借りてメッセージを伝えるもの。後者は、シャーマンの霊魂が肉体から脱け出て、霊界や天界で神や霊魂と接触・交流するというもの。憑依か脱魂かは、社会や文化によって解釈が異なる。いずれも、神や霊魂との接触・交流中、シャーマンはトランス(trance=忘我状態)に陥る。かつてシャーマニズムは、北東アジアや極北地域に特徴的なものと考えられていたが、現在では、世界に普遍的にみられる現象とされる。シャーマニズムの観念は、新宗教やチャネリングを始め、様々な宗教現象の背後にみられる。

(岩井洋 関西国際大学教授 / 2007年)

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旺文社世界史事典 三訂版 「シャーマニズム」の解説

シャーマニズム
shamanism

シャーマン(みこ)が神がかり状態となり,諸神霊との直接交通によって行う原始的・呪術的な宗教形態
アルタイ諸族の土着宗教からこの名が起こり,シャーマンが神霊自身となって神託を語り,託宣 (たくせん) ・預言・祭儀・医療などを行うもので,民衆にとっては一種の卜占 (ぼくせん) でもあった。元来,北方系民族の間に広く行われ,邪馬台 (やまたい) 国の卑弥呼 (ひみこ) もその適例だが,現在は一部の土俗信仰や芸能行事のほか,未開民族の間に残存している。

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旺文社日本史事典 三訂版 「シャーマニズム」の解説

シャーマニズム
shamanism

精霊信仰による原始的宗教
北アジアから東ヨーロッパにかけて多くみられ,シャーマン(みこ)が神がかりして神の言葉をつげる。邪馬台国 (やまたいこく) の女王卑弥呼 (ひみこ) の行った鬼道はシャーマニズムに当たる。

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