シリコーン樹脂(読み)シリコーンジュシ

デジタル大辞泉 「シリコーン樹脂」の意味・読み・例文・類語

シリコーン‐じゅし【シリコーン樹脂】

三次元網状構造をもつ樹脂状のシリコーン電気絶縁材料・耐熱塗料接着剤などに用い、酸素をよく通すので人工腎臓コンタクトレンズなどにも利用珪素けいそ樹脂。
[類語]合成樹脂プラスチックシリコーンベークライトメラミン樹脂

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精選版 日本国語大辞典 「シリコーン樹脂」の意味・読み・例文・類語

シリコーン‐じゅし【シリコーン樹脂】

  1. 〘 名詞 〙 一般には Si-O の結合主鎖とし、メチル基フェニル基をもつ樹脂状重合体をさす。ゴム状(シリコーンゴム)、油状(シリコーンオイル)などを含めることもある。耐寒耐熱耐水、耐光、耐薬品、電気絶縁性にすぐれ、高温用絶縁材、耐熱塗料、接着剤などに用いる。珪素樹脂。〔原子と椎茸と(1954)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリコーン樹脂」の意味・わかりやすい解説

シリコーン樹脂
しりこーんじゅし
silicone resin

ケイ素樹脂ともいわれ、シリコーンのなかで三次元の網状構造をもったものである。有機の基Rとしてメチル基とフェニル基とが一般的であり、トリクロロシランRSiCl3とジクロロシランR2SiCl2を、希望の割合で混合したところに、トルエンなどの溶媒を加え、加水分解してRSi(OH)3とR2Si(OH)2シラノールを共縮合させて架橋網状構造物をつくる。

 シリコーン樹脂は一般に耐熱性、耐湿性、耐腐食性、耐候性、耐薬品性に優れているが、機械的強度はあまり大きくない。電気絶縁材料(電線被覆)、成形品、耐熱性塗料、医療用器具などに用いられる。

[垣内 弘]

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化学辞典 第2版 「シリコーン樹脂」の解説

シリコーン樹脂
シリコーンジュシ
silicone resin

ケイ素樹脂ともいう.三次元的網目状構造をもつオルガノポリシロキサン.広義には,シリコーン油やシリコーンゴムを含める.オルガノハロシラン(モノメチルトリクロロシラン,ジメチルジクロロシランなど)の加水分解あるいは共加水分解,縮合,またはオルガノハロシランの加水分解で生成する環状シロキサンを,硬化剤(たとえば,過酸化ベンゾイル)存在下で加熱することによって得られる.耐熱性,耐候性,電気的性質(耐コロナ,耐オゾン性)が良好で,有機基がメチル基,フェニル基の場合,空気中で200~250 ℃ の使用に耐える.電気絶縁物(電線被覆),耐熱性塗料などに用いられるほか,ゴム状のものはロール,ダイヤフラム,耐熱用O-リング,医薬品のゴム栓,医療材料(整形医療用)などに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シリコーン樹脂」の意味・わかりやすい解説

シリコーン樹脂
シリコーンじゅし
silicone resin

ケイ素樹脂とも呼ばれる。主鎖がシロキサン結合から成る重合体の総称。 200℃以下では変化しない熱安定性があるうえ,被覆力があって水をはじく性質をもっており,また電気の絶縁性もある。したがって,耐熱性ゴム,防水加工剤として,また高温や水中で利用するモータなどの絶縁に使うこともある。

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世界大百科事典(旧版)内のシリコーン樹脂の言及

【ケイ素樹脂(珪素樹脂)】より

…シリコーンともいう。化学式に示したR,R′あるいは重合度nを変えることによって,油状(シリコーン油),ゴム状(シリコーンゴム),樹脂状(狭義のケイ素樹脂,シリコーン樹脂)と多様に変化する。なお中心元素であるケイ素はシリコンsiliconと表現される。…

※「シリコーン樹脂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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