精選版 日本国語大辞典 「スカンク」の意味・読み・例文・類語
スカンク
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イタチ科スカンク亜科に属する動物の総称。シマスカンク属Mephitis2種、マダラスカンク属Spilogale4種、ブタバナスカンク属Conepatus7種の3属13種を含む。すべて南・北アメリカ大陸産で、ネコぐらいの大きさでふさふさした尾をもつ。体色は黒ないし黒褐色であるが、白の帯や斑(はん)をもつものが多い。
生態はいずれも共通していて、森林や草原にすみ、どちらかというと明るく開けた環境を好み、密林にはいない。家屋の近くへも姿を現す。夜行性で、ネズミやウサギ、小鳥やカメの卵、昆虫などのほか、植物性の餌(えさ)も食べる。毒ヘビに対しても抵抗性が強く、平気で攻撃し、餌とする。自分でも巣穴を掘るが、マーモットやウサギ、アルマジロなどの穴も利用する。このとき、先住者がいても攻撃せずに、共有する形で入り込んでしまうといわれている。スカンクどうしが一つの巣穴を共有することもある。北アメリカでの交尾期は2~3月、南アメリカでは8月ごろで、この時期の雄はむやみに歩き回り、気が荒くなって人間や家畜にかみついたりもする。妊娠期間はシマスカンク60日余り、マダラスカンク120日、ブタバナスカンク42日で、2~10頭の子を産む。生まれたばかりの子は閉眼で毛も生えていないが、縞(しま)や斑の模様は判別できる。6~8週間後になると、子は雌親に連れられて巣穴から出てきて自分で餌をとり、雌親が次の発情期に入ると親から離れる。飼育下の寿命は10年。
イタチ科の動物は肛門(こうもん)付近に大きな分泌腺(ぶんぴつせん)をもち、悪臭のある物質を出すが、スカンクはとくに有名である。スカンクでは分泌腺が大きく発達しているだけでなく、管の一部が膨らんで腔(こう)となっていて、分泌物を蓄え一度に発射することができる。このときスカンクは前足だけで逆立ちし、肛門を敵に向けて、顔をねらって発射する。液は4、5メートル飛び、敵の目に入ると一時的に盲目にする。主成分はブチルメルカプタンで、化学構造はアルコールに似ているが、酸素のかわりに硫黄(いおう)を含んだ物質である。ニンニク、ゴムや毛を焼いたにおい、二硫化炭素のにおいなどを混ぜたような悪臭で、1キロメートル以上も漂うという。皮膚に直接についた分泌物は洗い落とせるが、衣服についた場合はなかなかとれず、その衣服を捨てねばならないことが多い。スカンクはこの分泌物を数度続けて発射することができるが、あとになるほど量も少なく、においも弱い。スカンクの黒白の毛模様と独特の発射姿勢は敵に警戒を与えるのに役だっており、コヨーテやピューマはたいていの場合その姿勢を見ただけで逃走する。動物園などで飼育する際は手術で肛門腺を除去する。
[朝日 稔]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新