スカンク(英語表記)Mephitinae; skunk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スカンク
Mephitinae; skunk

食肉目イタチ科スカンク亜科の動物の総称。危険を感じると悪臭を放つ。体長 15~40cm。後頭部からまでの上面が白色セジロスカンク Mephitis macroura,黒白のまだら模様のあるマダラスカンク Spilogale putoriusなど約 10種がある。体はがんじょうで,尾は長く,ふさふさした毛をもつ。肛門のまわりに肛門腺がよく発達し,敵にって悪臭のある黄色の液を発射する。その悪臭は 1km離れても臭うという。飼いやすく,ペットになるが,飼育するときは肛門をえぐり出してしまう。雑食性。アメリカ,カナダ分布し,森林草原砂漠,人家付近などあらゆる環境にすんでいる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

スカンク(skunk)

イタチ科スカンク亜科の哺乳類の総称。猫大で、尾がふさふさしている。体は黒色だが白の警戒色をもち、身を守るとき、逆立ちして肛門腺から悪臭の強烈な液体を出す。動作は遅く、昆虫などを捕食する。南・北アメリカに分布。シマスカンク・マダラスカンクなど。
スコンク

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

スカンク

食肉目イタチ科の哺乳(ほにゅう)類9種の総称。代表的なシマスカンクは体長40cmほど。体は黒色で,背中に美しい2白条が走り後頭部で1本になる。尾は長く,房状。カナダからメキシコ北部に分布。平原にすみ,夜出てカエルネズミ,鳥,昆虫などを食べる。敵に襲われると肛門腺から強烈な悪臭のある黄色い液(主成分メルカプタン)を5mも射出する。寒い地方では冬眠する。毛皮は優良。他に小型で逆立ちして脅しの姿勢をとるマダラスカンク,シマスカンクに似るが尾が長く白いセジロスカンクなどがいる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

スカンク【skunk】

食肉目イタチ科スカンク亜科Mephitinaeに属する3属9種の哺乳類の総称。黒色の地に白斑,あるいは白縞模様をもち,肛門腺から強烈な悪臭のある黄色の油状分泌液を放出するとして知られる。体はイタチ科の動物としてはずんぐりとしていて比較的太く,頭は小さく鼻先がとがる。四肢と尾は比較的長い。頭部を除き,体毛,とくに尾の毛は長い。肛門の両側に1対ある肛門腺は,袋状によく発達して,周囲筋肉の働きで分泌液を放出する。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スカンク
すかんく
skunk

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イタチ科スカンク亜科に属する動物の総称。シマスカンク属Mephitis2種、マダラスカンク属Spilogale4種、ブタバナスカンク属Conepatus7種の3属13種を含む。すべて南・北アメリカ大陸産で、ネコぐらいの大きさでふさふさした尾をもつ。体色は黒ないし黒褐色であるが、白の帯や斑(はん)をもつものが多い。

 生態はいずれも共通していて、森林や草原にすみ、どちらかというと明るく開けた環境を好み、密林にはいない。家屋の近くへも姿を現す。夜行性で、ネズミやウサギ、小鳥やカメの卵、昆虫などのほか、植物性の餌(えさ)も食べる。毒ヘビに対しても抵抗性が強く、平気で攻撃し、餌とする。自分でも巣穴を掘るが、マーモットやウサギ、アルマジロなどの穴も利用する。このとき、先住者がいても攻撃せずに、共有する形で入り込んでしまうといわれている。スカンクどうしが一つの巣穴を共有することもある。北アメリカでの交尾期は2~3月、南アメリカでは8月ごろで、この時期の雄はむやみに歩き回り、気が荒くなって人間や家畜にかみついたりもする。妊娠期間はシマスカンク60日余り、マダラスカンク120日、ブタバナスカンク42日で、2~10頭の子を産む。生まれたばかりの子は閉眼で毛も生えていないが、縞(しま)や斑の模様は判別できる。6~8週間後になると、子は雌親に連れられて巣穴から出てきて自分で餌をとり、雌親が次の発情期に入ると親から離れる。飼育下の寿命は10年。

 イタチ科の動物は肛門(こうもん)付近に大きな分泌腺(ぶんぴつせん)をもち、悪臭のある物質を出すが、スカンクはとくに有名である。スカンクでは分泌腺が大きく発達しているだけでなく、管の一部が膨らんで腔(こう)となっていて、分泌物を蓄え一度に発射することができる。このときスカンクは前足だけで逆立ちし、肛門を敵に向けて、顔をねらって発射する。液は4、5メートル飛び、敵の目に入ると一時的に盲目にする。主成分はブチルメルカプタンで、化学構造はアルコールに似ているが、酸素のかわりに硫黄(いおう)を含んだ物質である。ニンニク、ゴムや毛を焼いたにおい、二硫化炭素のにおいなどを混ぜたような悪臭で、1キロメートル以上も漂うという。皮膚に直接についた分泌物は洗い落とせるが、衣服についた場合はなかなかとれず、その衣服を捨てねばならないことが多い。スカンクはこの分泌物を数度続けて発射することができるが、あとになるほど量も少なく、においも弱い。スカンクの黒白の毛模様と独特の発射姿勢は敵に警戒を与えるのに役だっており、コヨーテやピューマはたいていの場合その姿勢を見ただけで逃走する。動物園などで飼育する際は手術で肛門腺を除去する。

[朝日 稔]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

スカンク

〘名〙 (skunk) イタチ科スカンク亜科の哺乳類の総称。体長二〇~五〇センチメートル、尾長は同じかやや短い。体形はイタチ科としては太くずんぐりしている。体毛は長くふさふさとし、体色は一般に黒色で、よく目立つ白い紋様がある。尾は房状で、白毛まだらの長毛がある。外敵を防ぐため、肛門(こうもん)付近の肛門腺からきわめて悪臭の強い黄色の液を飛ばす。平原や森林また人家近くにもすみ、夜、カエル、ネズミ、昆虫などを捕食するほか、果実なども食べる。北・中央アメリカに分布。毛皮は防寒用。他に背の白いセジロスカンク、体に白い斑点があり小形のマダラスカンクなど三属九種がある。〔舶来語便覧(1912)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報