スズ(錫)石(読み)すずいし

改訂新版 世界大百科事典 「スズ(錫)石」の意味・わかりやすい解説

スズ(錫)石 (すずいし)
cassiterite

スズの最も重要な鉱石。化学組成SnO2正方晶系。通常は短柱状。放射同心構造の微細結晶の集合体は木スズ石と呼ばれる。もろい。黄褐色,赤褐色,黒褐色で,ダイヤモンドないし金属光沢。モース硬度6~7。比重6.99。条痕は白色,灰色,褐色。スズ石は花コウ岩,ペグマタイト接触交代鉱床熱水鉱床などに少量含まれているが,含スズ花コウ岩がマレーシアインドネシアなどの高温多湿地域で風化し大規模なスズ石の砂鉱床を形成している。中国,ボリビアの熱水鉱床のスズ産額も大きい。日本では兵庫県生野および明延両鉱山,栃木県足尾鉱山などの熱水鉱床からスズ石が産出し,採掘された。
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百科事典マイペディア 「スズ(錫)石」の意味・わかりやすい解説

スズ(錫)石【すずいし】

SnO2の組成をもつスズの主要な鉱石鉱物。高温で晶出する鉱物で高温熱水鉱床,接触交代鉱床,ペグマタイトなどに産出。正方晶系で柱状・錐状結晶を示し,色はあめ色,褐色,黒色等でダイヤモンド光沢を有する。硬度6〜7,比重6.99。採掘は砂鉱から行われる。マレーシア,インドネシアなどが主要産地。
→関連項目スズ(錫)

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