精選版 日本国語大辞典 「ステゴサウルス」の意味・読み・例文・類語
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鳥盤目装盾(そうじゅん)類(亜目)エウリポッド類剣竜類(けんりゅうるい)(下目)ステゴサウルス科Stegosauridaeに属する恐竜。北アメリカ西部のジュラ紀後期、約1億5570万年~1億4550万年前の地層から産出した全長9メートルの草食恐竜。剣竜類を代表する属で、あらゆる恐竜のなかでももっとも有名なものの一つである。背中には大きな五角形の骨板がよく発達しており、17~19枚が交互に並んでいた。その並び方はしばしば議論されたが、前方で交互に並んでいたのが後方で1列になっているという説がもっとも有力である。尾の先には1メートルほどのスパイク(突起)が2対ないし4対あった。このスパイクは明確に防御用のものであった。骨板のほうは表面に無数の溝があり、内部は蜂(はち)の巣構造になっていて、そのそれぞれに血管が通っていたと考えられる。生存時には角質か皮膚に覆われていたと思われる。おそらく防御用というよりは、むしろ体温調節器官の役を果たしたのであろう。骨板を太陽に向けて熱を吸収したり、風に向けて熱を放散したりできるからである。風洞実験を行った結果では、骨板を対置したモデルでは放熱が必要以上に観測されたのに、交互に並べたモデルでは体熱の放散が適切であったというから、これは骨板交互説を裏書きしているかのようである。体温調節以外の骨板の役目としては、たとえばディスプレー用であったかもしれない。腰椎(ようつい)骨で後肢上の位置には神経組織の入った脊髄腔(せきずいくう)があり脳より大きかったが、それは後肢と尾への神経索が必要とする体積よりずっと大きいので、鳥類同様にグリコーゲン体が占めていたのではないかという。剣竜類はおそらく高さが約1メートルまでの若葉を食べていたと思われる。脳指数はよろい竜類のものに匹敵し、竜脚類を除くすべての恐竜類より小さい。この低数値は、逃走よりも防御用装甲と尾部の武器に頼ったことを示すであろう。尾では骨化した腱(けん)が喪失しているのでよく屈曲させることができた。肩の筋肉は強力で、長い後肢を支点に体を回転させ、尾を曲げねじることで棘(とげ)を敵に突き刺したであろう。
[小畠郁生]
『ヘザー・アメリー文、トニー・ギボンズ絵、富田京一訳『ステゴサウルス』(1994・ほるぷ出版)』▽『佐藤哲、ネイチャー・プロ編集室構成・文『恐竜の行動とくらし7 ステゴサウルス――剣竜の骨板やスパイクは何のためにあったのか』(1995・偕成社)』
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…身体の大きさと比較するとひじょうに小さい。ステゴサウルスでは体重比が3000万g:300g,すなわち10万分の1である(ネコは100分の1)。ステゴサウルスの脳はクルミの実3個ほどの大きさしかない。…
…四足歩行で,背中に2列の骨板または骨棘(こつきよく)をもち,これで外敵を排除したと考えられている。アメリカから産出のステゴサウルスStegosaurusでは20枚ほどのひし形の骨板が交互に並び,尾の先端には2対の骨棘がある。東アフリカのタンザニアから出たケントロサウルスKentrosaurusはすべて骨棘から成る。…
…一般に哺乳類以外の脊髄における繊維の連絡はほとんどわかっておらず,現在実験的に分析されつつあるところである。 恐竜の1種であるステゴサウルスの化石では,脊柱の内腔が腰の部分で広くなっていて,脊髄が腰の部分で膨大していたことが間接的に推察される。この動物の巨大な後肢に神経を出す細胞が,多数腰膨大に集積されていたと思われる。…
※「ステゴサウルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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