スナイダー(英語表記)Snyder, Gary

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スナイダー
Snyder, Gary

[生]1930.5.8. カリフォルニア,サンフランシスコ
アメリカ合衆国の詩人。フルネーム Gary Sherman Snyder。1951年オレゴン州ポートランドのリード・カレッジ卒業後,1952年までインディアナ大学で人類学を学び,サンフランシスコに移住後はビート・ジェネレーションを代表する作家ジャック・ケルアック,アレン・ギンズバーグと親交を結ぶ。1955年サンフランシスコのシックス・ギャラリーでのギンズバーグによる『吠える』Howlの歴史的な初の朗読会に立ち会った。1956年日本を訪れ,仏教のを学ぶ。1986年カリフォルニア大学デービス校で教鞭をとり,2002年名誉教授で引退。スナイダーの初期の詩は日々の生活の神話的,宗教的経験を織り込んだもので,その自由な様式はウォルト・ホイットマンやエズラ・パウンド,日本の俳句からの影響を示している。また『奥の国』The Back Country(1967),"Regarding Wave"(1969)においては東洋哲学への傾倒が反映されている。1975年『亀の島』Turtle Island(1974)でピュリッツァー賞受賞。そのほかの詩集に『ノー・ネイチャー』No Nature(1992),『終わりなき山河』Mountains and Rivers Without End(1996,ボーリンゲン賞),『絶頂の危うさ』Danger on Peaks(2004)。また,エッセー『地球の家を保つには―エコロジーと精神革命』Earth House Hold(1969),"Back on the Fire: Essays"(2007)などで環境問題への提言も行なっている。2008年ルース・リリー賞受賞。

スナイダー
Snyder, Richard Carlton

[生]1916.8.21. ニューヨーク,キングストン
アメリカの政治学者。 1946~55年プリンストン大学,55~65年ノースウェスタン大学,65~70年カリフォルニア大学,70年以降オハイオ大学などで教鞭をとった。外交における政策決定理論の研究で著名。「スナイダー・モデル」ともいわれる分析視角は,国政政治学の中心概念として政定決定者の行動様式に焦点をあてたことに特徴がある。主著"National and International Decision-Making" (1961) ,"Foreign Policy Decision-Making" (62) など。

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百科事典マイペディアの解説

スナイダー

米国の詩人。ギンズバーグとともにビート世代の教祖的存在。生地サンフランシスコでの活曜から1955年にはじまったサンフランシスコ・ルネサンスの一翼を担った。また1958年から合計8年間日本で臨済宗を修行。東洋の哲学や宗教に通ずる。簡潔でイメージ豊かな自然描写や東洋思想に裏打ちされた精神世界の展開が詩作の特徴。代表作詩文集《亀の島》(1974年,ピュリッツァー賞受賞),《斧の柄》(1983年)など。

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世界大百科事典 第2版の解説

スナイダー【Gary Snyder】

1930‐
アメリカの詩人。サンフランシスコ生れ。アレン・ギンズバーグとともに,いわゆるビート運動(ビート・ジェネレーション),およびそのライフスタイルの教祖的存在である。1956年から日本で臨済禅を合計8年近くも修行,ほかに真言密教ヒンドゥー教,アメリカ・インディアンの神話にも通じ,影響を受けている。リード大学,カリフォルニア大学バークリー校で人類学東洋学を学び,きこり,タンカー水夫として働いた経験もあり,つねに肉体労働と詩作の関係を重視している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スナイダー
すないだー
Gary Snyder
(1930― )

アメリカの詩人。サンフランシスコ出身。オレゴン州のリード・カレッジで人類学を学び、バークリーのカリフォルニア大学では日本語・中国語を修めた。1950年代のビート運動にギンズバーグやケロアックとともに参加し、禅への興味から1956年(昭和31)に来日して京都で参禅した。詩集『割りぐり』(1959)以来、ピュリッツァー賞を受けた『亀(かめ)の島』(1974)まで、一貫して自然と人間の回復を求めている。彼のエコロジカルな態度は長編詩集『終わりなき山河』(1996)でも呈示されていて、現代のアメリカの新しいエコロジー運動のリーダーと目されている。彼の姿勢にはアメリカの自然崇拝ばかりでなく、東洋の禅にたいする深い理解も含まれており、98年に「仏教伝道文化賞」を受賞した。また2000年(平成12)10月には曹洞宗(そうとうしゅう)大本山永平寺(えいへいじ)の文化財団に招聘(しょうへい)されて来日し、駒沢大学で「ゲーリー・スナイダー 禅を詩(うた)う」の朗読と対談の会を催している。[新倉俊一]
『ナナオ・サカキ訳『対訳 亀の島』(1991・山口書店) ▽重松宗育ほか訳『野性の実践』(2000・山と渓谷社) ▽山里勝己ほか訳『惑星の未来を想像する者たちへ』(2000・山と渓谷社) ▽山里勝己ほか訳『終わりなき山河』(2002・思潮社) ▽金関寿夫・加藤幸子訳『スナイダー詩集――ノー・ネイチャー』新装版(2002・思潮社)』

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367日誕生日大事典の解説

スナイダー

生年月日:1895年6月21日
アメリカの銀行家,政治家
1985年没

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世界大百科事典内のスナイダーの言及

【対抗文化】より

…アメリカの文学的遺産からは,文明と物質主義を嫌い,ひとり森に入って〈貧しい生活と高い思索〉を実践した《ウォールデン》のH.D.ソローや《草の葉》で魂と肉体の合一を歌いあげたW.ホイットマンが呼びもどされ,彼らを再評価したビート・ジェネレーションのA.ギンズバーグをはじめとする詩人たちも活躍した。G.スナイダーは,〈革命はイデオロギーの問題ではなくなった。そのかわりに,ひとびとはそれをいま試行しつつある――ちいさな共同体での共産主義,あたらしい家族組織。…

※「スナイダー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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