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スーパーコンピュータ スーパーコンピュータ supercomputer

翻訳|supercomputer

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スーパーコンピュータ
スーパーコンピュータ
supercomputer

同時代のなかでぬきんでて高速の処理能力をもつコンピュータ。定義は必ずしも明確ではなく,現代においては,汎用 (はんよう) 大型コンピュータに比べ 10倍以上高速であることや,5~30GFLOPS (gigas of floating operation per second。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スーパーコンピュータ
すーぱーこんぴゅーた
supercomputer

並列計算処理などを活用し、膨大なデータを超高速演算できる大型コンピュータ。略称スパコン。明確な定義はないが、家庭用のコンピュータの少なくとも1000倍以上の演算速度があるものをスパコンと一般的によんでいる。
 演算速度は、1秒間に四則演算を何回できるかで計る。1秒間に1回できることを1FLOPS(フロップス)(Floating-point Operations Per Second)というが、2015年時点の最速スパコンは中国国防科学技術大学の「天河(てんが)2号」で33.86PFLOPS(ペタフロップス)(1ペタは10の15乗を意味する)、つまり1秒間に3京(けい)3860兆回の計算ができる。ちなみに日本の理化学研究所(理研)と富士通が共同開発したスパコン「京」は10PFLOPS、つまり1秒間に1京回の計算ができる。京には「大きな門」の意味があり、スパコン京には、計算能力と「計算科学の新たな門」という意味が込められている。
 スパコンは、コンピュータの命令・解読などを行うCPU(中央処理装置)を複数もち、同時(並列的)に複数のタスクを実行する「並列処理機能」をもつ。1960年代から本格的に開発が進められてきたが、世界最初のスパコンは1976年に開発された「クレイ1」である。アメリカのコンピュータ技術者のシーモア・クレイSeymour R. Cray(1925―1996)が手がけた。性能は、160MFLOPS(メガフロップス)(1秒間に1.6億回)で、「クレイ1」開発から35年後の2011年に発売されたスマートフォンのiPhone(アイフォーン) 4sの性能140MFLOPSと同等の速さしかなかった。以後、CPUの向上などで計算速度は右肩上がりに速くなった。
 日本の最初のスパコンは、1977年(昭和52)に富士通が開発した超高速科学計算用コンピュータ「FACOM230-75APU」である。計算速度は最大22MFLOPSあり、航空宇宙技術研究所(現、宇宙航空研究開発機構:JAXA(ジャクサ))に納入され、流体解析などに用いられた。その後、スパコンの開発競争は激化し、日本政府もスパコン開発に本腰を入れ始めた。計算速度から上位500基のランキングを発表する「TOP500」(ドイツとアメリカで、それぞれ6月と11月に開催されるスパコンの会議で公表)では、日本のスパコンはこれまで5基、延べ13回世界一に輝いている。
 最初の世界一は、1993年(平成5)、航空宇宙技術研究所と富士通が開発したスパコン「数値風洞」である。性能は280GFLOPS(ギガフロップス)(1秒間に2800億回)に達し、1993年11月、1994年11月~1995年11月(1994年6月は2位)に世界一に輝いた。1996年6月には日立製作所が発表した「SR2201」が、同年11月には筑波大学と日立製作所が共同開発した「CP-PACS」が世界一の座についた。2002年(平成14)6月には、海洋科学技術センター(現、海洋研究開発機構)とNECが開発した「地球シミュレータ」が41TFLOPS(テラフロップス)(1秒間に41兆回)で1位になり、2004年6月まで5回連続1位となっている。京は、2011年6月と11月に世界一になった。一方で、スパコンの性能を示す指標にはほかに、消費電力当りの速度を競う「The Green 500 List」というものがある。このランキングで、2003年に日本のスパコンとして初めて、東京工業大学の「TSUBAME-KFC」がトップになった。
 中国の「天河2号」は、2013年6月から現在4回連続でTOP500のランキング1位を圧倒的な速度で維持しているが、応用面や消費電力の大きさで課題が指摘されている。その点、京は低消費電力の汎用(はんよう)型スパコンで使い勝手もよく、実行効率がきわめて高い。実行効率は、理論上の性能(計算速度)をどこまで出せるかを示すもので、京は93.2%を達成した。「天河2号」は61.7%、2位のアメリカエネルギー省(DOE)オークリッジ国立研究所にある「タイタン」は64.9%である。
 京が利用される重点5分野は、以下のとおりである。(1)生命科学・医療および創薬基盤、(2)新物質・エネルギー創成、(3)防災・減災に資する地球変動予測、(4)次世代ものづくり、(5)物質と宇宙の起源と構造。政府系の研究機関だけでなく、大学、民間企業もすでに利用している。
 こうした京を利用した日本のプロジェクトは世界的にも評価され、卓越した業績をあげた研究に贈られ、スパコンのノーベル賞といわれる「ゴードン・ベル賞」を、2011年と2012年に2回受賞している。1回目は、理研や筑波大、東大、富士通などの共同研究チームによる、次世代半導体材料として注目される「シリコン・ナノワイヤ」の電子状態の計算で、実行効率は43.6%、3PFLOPSの計算を達成した。普通、計算以外の実行効率は10%なので飛躍的に向上した。2回目は、筑波大、東工大、理研の研究チームによる宇宙ダークマター(暗黒物質)の計算である。宇宙創成の鍵(かぎ)を握る物質であるダークマターのシミュレーション計算を京で行った。こちらも実行効率を55%引き出すことに成功した。
 政府は2013年12月24日、京の次世代のスパコンを開発する「エクサスケール・スーパーコンピュータ開発プロジェクト」を閣議決定した。目標は、京の演算速度の100倍。2020年まで総事業費1400億円(国費負担1100億円)としている。アプリケーションも京の100倍の向上を目ざす。消費電力は30~40メガワットとし、京の12.7メガワットの2~3倍程度に抑える計画である。[玉村 治]

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