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タカサゴ Caesio chrysozonus

世界大百科事典 第2版の解説

タカサゴ【Caesio chrysozonus】

スズメ目フエダイ科の海産魚。従来,タカサゴ属を分けて1科としていたが,科とするほどの違いはないとして,現在はフエダイ科に入れられている。熱帯性で,西部太平洋からインド洋に広く分布する。南日本で見られるが,伊豆諸島,小笠原,沖縄に多く,沖縄ではグルクンの名で親しまれ,県魚に指定されている。追込網の主対象である。タカサゴは東京,小田原の呼名であるが,ハナムロ(紀伊,長崎),アカムロ(高知,紀伊)などの名もあるように,ムロアジを思わせる体型だが,もう少し太い。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タカサゴ
たかさご / 高砂
doublelined fusilier
[学]Pterocaesio diagramma

硬骨魚綱スズキ目フエダイ科に属する海水魚。若狭(わかさ)湾以南の日本海沿岸、駿河(するが)湾以南の太平洋沿岸、琉球(りゅうきゅう)列島、台湾などの西太平洋、オーストラリア西岸に分布する。体は長楕円(ちょうだえん)形で、体高はやや低く、体長は体高の3.4倍以上ある。目はやや大きく、吻(ふん)は短い。口は小さく斜位で、眼下幅は狭い。前上顎骨(ぜんじょうがくこつ)に2個の後方突起がある。上下両顎に1列の円錐歯(えんすいし)とその内側に絨毛(じゅうもう)状歯がある。背びれは10棘(きょく)14~16軟条、臀(しり)びれは3棘11~12軟条。背びれと臀びれの基部は鱗(うろこ)をかぶる。背部は体色変化が著しく、水中では緑色~青色であるが、水揚げされると紫赤色になる。腹部は白色~淡紅色。体側には2条の幅広い黄色縦帯がある。背部のものは背面に、腹部のものは目の上方から側線の下方を走り、背びれ軟条部中央下で側線の上方を走り、尾柄(びへい)後端上部に至る。背びれは赤褐色、ほかのひれは淡紅色。尾びれ両葉の先端にはそれぞれ1個の黒斑(こくはん)がある。最大全長は約30センチメートル。産卵(飼育観察)は5~7月で、1000尾を超える大群が垂直運動し、そのうちの雌雄ペアで行われるが、ペア外の10~15尾の雄もこの産卵に加わる。受精卵は直径約0.8~0.9ミリメートルの分離浮性卵。潮通しのよい沖合いの瀬や離島周辺の深い30~50メートルの層に大群をなして遊泳する。追込み網、刺網(さしあみ)などで漁獲される。淡紅色の肉で淡泊な味をもち、刺身、煮つけ、焼き物などで広く賞味される。南西諸島では漁民にもっとも愛好される魚の一つで、漁獲量も多く、産業的に重要な魚である。沖縄ではグルクンといい、県を代表する魚に選ばれている。ニセタカサゴP. marriに似るが、ニセタカサゴは第2番目の黄色帯が側線上を走ることで、タカサゴと区別できる。[赤崎正人・尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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