タガログ語(読み)タガログゴ(その他表記)Tagalog

翻訳|Tagalog

デジタル大辞泉 「タガログ語」の意味・読み・例文・類語

タガログ‐ご【タガログ語】

Tagalogルソン島中心話し手をもつフィリピンの有力言語マレー‐ポリネシア語族に属する。→ピリピノ語

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精選版 日本国語大辞典 「タガログ語」の意味・読み・例文・類語

タガログ‐ご【タガログ語】

  1. 〘 名詞 〙 ( タガログはTagalog ) オーストロネシア語族に属する言語。セブアノ語とならんで、フィリピンの二大言語の一つ。ルソン島南部が中心。同国国語フィリピノ語(旧ピリピノ語)の母体

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改訂新版 世界大百科事典 「タガログ語」の意味・わかりやすい解説

タガログ語 (タガログご)
Tagalog

フィリピンのマニラを中心とする諸州に行われる言語で,アウストロネシア語族のうち西部語派(インドネシア語派)に属する。タガログ語を母語とする人口は約1000万(1975)で,それはフィリピン全人口の4分の1にみたないが,1937年にすでにフィリピンの国語に指定され(このタガログ語を基礎とした共通語はピリピノ語Pilipinoと呼ばれる),小学校の正課として教えられているから,タガログ語を理解する人口は多い。タガログ語と最も近い関係にある言語は,ルソン島南端のビコル語Bicolと,パナイ島,サマル島,レイテ島に行われる北部ビサヤ諸語(ビサヤ語)である。タガログ語の音素は/a,e,i,o,u,p,t,k,,b,d,ɡ,m,n,ŋ,s,h,l,r,w,y/および母音長短である。語順はVSO(動・主・目(客))あるいはVOS(Sが代名詞の場合は常にVSO)。修飾語は1語ならば被修飾語の前に,長ければ後に現れる。動詞は態・相によってかなり複雑に変化する。
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世界の主要言語がわかる事典 「タガログ語」の解説

タガログご【タガログ語】

アウストロネシア語族のインドネシア語派に属する言語で、フィリピン諸語の一つ。マニラ首都圏を中心とするルソン島中南部、ミンドロ島パラワン島などで話される。フィリピンの国語で、英語と並ぶ公用語でもあるフィリピノ語は、タガログ語を基礎とする。フィリピンは多言語国家で、タガログ語を母語とする人々は人口の28%(2200万人)にすぎない。第2次大戦後、独立フィリピンにおけるタガログ語の国語化(宣言は1937年:1959年ピリピノ語に、1973年フィリピノ語に名称変更)と公用語化(1987年)は、話者数で拮抗(きっこう)するセブアノ語など非タガログ語の地域の反発をおさえて実現された。文法的には、他動詞主語に特別な格を用いる能格言語、語順では動詞が文頭にくる、などの特徴があり、語彙(ごい)にはかつての宗主国の言語であるスペイン語と英語からの借用語が多い。◇英語でTagalog。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タガログ語」の意味・わかりやすい解説

タガログ語
たがろぐご
Tagalog

オーストロネシア語族西部語派に属するフィリピン諸語の一つ。マニラを中心としたルソン島中部、ミンドロ島低地の言語。母語率は全人口の約24%で第2位。公用語フィリピノPilipino語(理解率60%)の母体となった。スペイン語、英語からの借用語が多い。母音5、子音15のローマ字を用いるが、古くはインド系の文字を使用していた。アクセントは語末から2番目の音節にくることが多い。音節は子音+母音、子音+母音+子音が基本である。語構成には、接辞、重複が重要な働きをする。基本的な文構造は、動詞―目的語―主語。格標示にはang, ng, saの3クラス、動詞には不定、未然、完了、未完了の4相がある。Kumain ng isdâ ang batà(食べた―目的格―魚―主格―子供)「その子は魚を食べた」、Kinain ng isdâ ang batà「その子は魚が食べた」。動詞kainに割って入った接辞umとinは完了を表すとともに、umはangに導かれて主語になっている句が行為者であることを、またinはangに導かれて主語になっている句が対象物であることを示している。

[山田幸宏]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タガログ語」の意味・わかりやすい解説

タガログ語
タガログご
Tagalog language

フィリピンの言語。公用語フィリピノ語(ピリピノ語)の元となった。元来はルソン島マニラを中心に使われる言語。フィリピン政府の奨励政策もあり,およそ 1400万人の母語として用いられているといわれる。また,タガログ語を元にしたフィリピノ語は第2言語として約 2500万人に使用されている。16世紀のスペイン人渡来以前はインド系の文字で表記されていたが,宗教上の理由で廃棄されてのちはスペイン式のローマ字が用いられ,20世紀に入ってからは英語式に移行した。接辞や畳音による動詞の活用体系が発達している。オーストロネシア語族の一つ,インドネシア語派に属する。

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百科事典マイペディア 「タガログ語」の意味・わかりやすい解説

タガログ語【タガログご】

フィリピンのタガログ族の言語。アウストロネシア語族インドネシア語派に属するが,スペイン語からの借用語が多い。母語とする人口は約1000万人だが,1939年,フィリピン共和国の国語に制定されフィリピノ語(ピリピノ語Pilipino)として普及したため,同国では英語に次ぐ話者人口をもつ共通語となっている。1946年,スペイン語,英語とともに公用語と認められた。ローマ字により書写される。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「タガログ語」の解説

タガログ語(タガログご)
Tagalog

オーストロネシア語族に属し,主としてマニラ首都圏および周辺の諸州で使用されているフィリピン最大の土着言語。1987年憲法で,この言語を母体としたフィリピノ語が国語に制定された。

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