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タヌキ タヌキ Nyctereutes procyonoides; raccoon dog

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タヌキ
タヌキ
Nyctereutes procyonoides; raccoon dog

食肉目イヌ科。体長 50~80cm,尾長 13~25cm,体重4~6kg。黄褐色の毛が密生し,黒色の差し毛があり,眼の周囲が黒い。ノネズミカエル,魚などの小動物を捕食するが,植物質も食べる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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防府市歴史用語集の解説

タヌキ

 中国南部や朝鮮半島ロシアの一部・日本にしかいないイヌ科の動物です。向島以外にもタヌキはいますが、数がへっていたタヌキを保護するために向島が天然記念物の指定地になりました。

出典|ほうふWeb歴史館
Copyright 2002,Hofu Virtual Site Museum,Japan
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タヌキ
たぬき / 狸
racoon dogracoon-like dog
[学]Nyctereutes procyonoides

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。アジア東部に生息する特産種の一つで、日本およびユーラシア大陸の北、シベリアのアムール川より、南はベトナム北部までの間に分布する。タヌキ属には、タヌキ1種だけが知られているが、生息する地域によりわずかではあるが形態的違い(地理的変異)がみられ、6亜種に分類される。日本にはこのうち2亜種が生息し、本州、四国、九州および佐渡島に分布するものをホンドタヌキN. p. viverrinusとよび、北海道のものをエゾタヌキN. p. albusとよぶ。このほかの亜種はすべて大陸に生息する。中国、トンキン湾沿岸にビンエツタヌキN. p. procynoides、ウスリー、アムール地方にウスリータヌキN. p. ussuriensis、中国・雲南にウンナンタヌキN. p. orestes、朝鮮半島にコウライタヌキN. p. koreensisが知られる。なお、現在ヨーロッパの北部と西部に分布域を広げているのは、毛皮をとる目的で持ち込まれたのが増えたものである。[北原正宣]

形態

タヌキは、イヌ科のなかでもイヌ属やキツネ属の動物と比べて体形はずんぐりしており、尾も太く、また足も短いので、もっとも走行に適していない。歯は普通i3/3 c1/1 p4/4 m2/3の42本であるが、臼歯(きゅうし)に変化がみられ40~44本とされ、肉をかみ切るために食肉類に発達した裂肉歯と犬歯があまり発達していない。これらの点から、タヌキはイヌ科のなかできわめて原始的な動物といえる。
 ホンドタヌキの頭胴長は50~68センチメートルぐらいで、尾は13~20センチメートルと短いが毛はふさふさしている。体重は普通3~5キログラム程度であるが、秋の終わり、すなわち冬ごもりの前ごろになると6~10キログラムにもなるものがある。耳介は丸く小さいため、前に倒しても目に届かない。顔は比較的丸いほうで、吻(ふん)はとがっているがキツネに比べると短く、鼻鏡はイヌに似るが鼻孔はより小さい。目もとくに大きくはなく、瞳孔(どうこう)は収縮すると縦の楕円(だえん)形になる。被毛はきわめて厚く、とくに下毛が豊富である。体毛は一般に黄褐色で、黒い差し毛がみられる。しかし色彩は南方のものほど赤みが濃く、黒毛の部分も褐色を帯びる。北方のものは赤みが少なく、黒毛も純黒の傾向が強いが、個体の変異も多く一定していない。目の周りから頬(ほお)、のど、胸にかけて、および四肢は焦げ茶色である。肩の部分と頸(くび)の背の中央部には黒毛が多く、比較的明瞭(めいりょう)な十字斑(はん)を形成している。後頸(こうけい)部の毛はやや長めで直立しているために、たてがみのようにみえる。
 エゾタヌキは、ホンドタヌキと体の大きさにほとんど差がみられないが、体毛が厚く下毛が多いことと、毛が長いため、大きくみえる。色彩は淡色で黄褐色みが少ない。足はホンドタヌキより長い。[北原正宣]

生態

日本産の2亜種では、次のような生態が知られている。生息場所は、水辺の森林の中や下草が生い茂った林である。夜行性のため、よほどのことがない限り日中は巣穴にいて活動しないが、飼育下では日中でも活動がみられる。巣は、岩穴や木のうろ、根元の穴、あるいはアナグマやキツネなどが放棄した穴であるが、まれに数本のトンネルがある小穴をさらに大きく、また長く自分で掘ることがある。また、キツネなどと比ベ人間に対する警戒心が薄いためか、土蔵や寺院の床下などを巣にすることもある。雑食性で、動物質ではネズミなどの齧歯(げっし)類やヘビ、カエル、魚、カニなど、植物質ではとくに漿果(しょうか)や果実を好むが、季節によって変化がみられる。カキなどを食べるときは、近縁のハイイロギツネと同様に巧みに木に登る。餌(えさ)に困ると、人間の残飯をあさるほか、まれに家禽(かきん)をとることがあるが、大形の鳥獣をとることはない。巣穴近くの1平方メートルほどの広さに、親も子も共同で排糞(はいふん)する。これがタヌキ独特の溜糞(ためぐそ)とよばれる習性で、一種のにおいづけの役割をすると考えられるが、行動圏を主張するためのものか、においで個体どうしを結び付けるためのものかは不明である。
 タヌキは普通つがいか5、6頭の家族単位で生活している。北方のものは巣穴に冬ごもりするが、完全に冬眠するわけではない。発情期は1~3月ごろで、この時期の雄はクンクンという声で雌をよぶ。雌雄は尿で臭(にお)いづけして、縄張りを守る。1産の平均は4~6子で、新生子は60~90グラム、閉眼で、黒く柔らかい毛が生えている。子は、10日ほどで開眼し、2週間ほどで歯が生える。1か月ぐらいで餌を食べ始め、2~3か月で離乳する。秋には成体に近くなり独立するが、性成熟には生後1年ほどを要する。
 タヌキは急に驚かされると、仮死状態のようになることがある。この状態は有袋類のオポッサムにもみられ、一見仮死状態のようであるが、完全な失神状態ではなく脳はある程度目覚めているため、一種の警戒状態の行動であろうといわれている。また、この状態からしばらくたつと起き出して逃げるので、古来「たぬき寝入り」とよばれて死にまねとみられたり、キツネと同様に人を化かすという言い伝えのもとになっている。タヌキは体形的に攻撃や逃走が不得手なため、長い間に、生存上有利であったこのような習性を身につけたものと考えられる。[北原正宣]

人間生活との関係

タヌキは日本の野生生物のなかで、もっとも人間とのつきあいが古いものの一つである。それは、みるからに愛敬(あいきょう)のある姿が人々に愛されたためといえよう。また、そのずんぐりした体形から、古来タヌキはムジナ(狢)とかマミとかよばれてアナグマと混称されたり、地方によってはあいまいに使い分けられたりしている。しかし、アナグマの歩行は蹠行(しょこう)性であるのに対し、タヌキはつまさきで歩く指行性である。利用面では、タヌキの毛皮は下毛が多いため、襟巻やコートにも利用されるが、最近はその毛がおもに書道の毛筆の原料として用いられている。[北原正宣]

民俗

タヌキはキツネと同様人を化かす動物とされ、怪談が伝えられているが、タヌキは人に化けても「一声(ひとこえ)おらび」といって一声しか返事ができず、しかも人に化けたタヌキの着物は縞柄(しまがら)が夜目にもはっきりわかるという。他方、人に憑(つ)くともいわれ、タヌキに憑かれるとやたらに大食して腹ばかり膨れ、ついには体が衰弱して命を落とすという。普通は祈祷(きとう)師に頼んでこれを落としてもらうが、佐渡では山伏(やまぶし)に頼むという。また「お四つさん」といって、タヌキに食物を与えて自分の仇敵(きゅうてき)に憑かせることもある。徳島県にはタヌキの話が多く、憑いて困るタヌキを祀(まつ)り込めた洞穴(祠(ほこら))が各地にある。関東の利根(とね)川沿いには、樹の上に登ったタヌキが道行く人に砂や小石を播(ま)きかけるという「砂播狸」の話がある。同じような話は熊本県にもあり、村の娘が山へ薪(まき)をとりに行くと、やぶの中からタヌキが小石をばらばら投げかけ、帰り道には薪の上にのったり、薪を押したりすることがあるという。
 伝説もいろいろあるが、相模(さがみ)(神奈川県)から中部地方にかけては鎌倉の建長寺(けんちょうじ)の「狸和尚(おしょう)」が有名である。和尚に化けたタヌキが各地を説教して歩くが、あるとき宿に着くと、イヌが嫌いだといって遠ざけたため、宿の人が障子の陰から見ると和尚の挙動がおかしい。それを見破ったイヌは飛びついてかみ殺してしまうが、この狸和尚が書いたという筆跡がいまも伝えられている。福島県須賀川(すかがわ)地方では、秋に「松明(たいまつ)あかし」という行事を行う。松明の行列でタヌキを追う動作をするこの行事は、昔、落城した城主二階堂家の家臣たちの慰霊の行事であったが、その風習を嫌った新城主の目をはばかり、当時田畑を荒らしたタヌキを追うという名目で慰霊を続けてきたという。
 愛知県三河地方では、青年たちが集まって「狸寄せ」というのを行ったという。これは「こっくりさん」「狐(きつね)寄せ」と同様、1人の人を目隠しして周りの者が唱え言をし、その者がしだいに興奮状態になったところで、皆がいろいろと問答してお告げを聞くものである。東京の番町(ばんちょう)には昔「七不思議」というのがあったが、そのうちの一つに、深夜タヌキが腹を打つ太鼓の音が聞こえてくるという「狸囃子(ばやし)」があった。昔話では「かちかち山」「分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)」「狸と田螺(たにし)の走り比べ」「狸の八畳敷」などがよく知られている。[大藤時彦]

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