タンピコ(その他表記)Tampico

デジタル大辞泉 「タンピコ」の意味・読み・例文・類語

タンピコ(Tampico)

メキシコ北東部、タマウリパス州都市メキシコ湾に面する。油田地帯にあり、石油化学工業が盛ん。同国最大の石油積出港がある。

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精選版 日本国語大辞典 「タンピコ」の意味・読み・例文・類語

タンピコ

  1. ( Tampico ) メキシコ東部、メキシコ湾岸にある港湾都市。二〇世紀初頭に石油が発見され世界的な産油地となったが、一九三〇年代に衰退、現在は石油化学工業や食品工業を中心とする工業都市となっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「タンピコ」の意味・わかりやすい解説

タンピコ
Tampico

メキシコ中東部,メキシコ湾岸タマウリパス州の鉱工業都市。同国有数の貿易港でもある。大都市域人口80万6919(2003)。パヌコ川左岸に位置し,湿地や潟にとり囲まれている。アステカ文化繁栄の地であったが,スペインの征服により破壊された後,1532年フランシスコ会宣教師により植民される。17世紀半ばに海賊ロレンシリョにより略奪され,現在の町は18世紀半ばに再建された。漁業を糧とする寒村にすぎなかったが,20世紀初め油田の発見によって急速に人口規模を拡大した。1901-21年のオイルラッシュは目ざましく,38年に国有化されるまでアメリカ,イギリス資本によって開発され世界的産油地となったが,1930年代に海水流入やハリケーン襲来により油田が破壊されたため衰退し,主要な油田は南に移動した。現在は石油化学工業および漁港としての関連で食品加工業を基盤とした工業都市に変貌。ミラマル海水浴場,パヌコ川での魚釣り,ジャガー,コヨーテなど野生動物の狩猟を中心とした観光都市としても有名。タマウリパス自治大学の所在地。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タンピコ」の意味・わかりやすい解説

タンピコ
Tampico

メキシコ北東部,タマウリパス州南東端部の都市。メキシコ市の北北東約 350km,メキシコ湾に注ぐパヌコ川の河口から約 10km上流の北岸に位置する港湾都市で,潟湖の発達した湿地帯にある。 1532年頃フランシスコ会修道士がアステカ族の集落跡に建てた修道院を中心に発展した町で,1683年海賊によって破壊されたのち,1823年ようやく再建された。 29年にスペイン軍が上陸,市を占領したが,サンタ・アナ将軍により撃退された。 19世紀末までは肥沃ではあるが未開発な後背地の小さな積出港にすぎなかったが,周辺地域での油田の発見後,その開発に伴って 20世紀初頭から急速に発展,一時は世界最大の石油積出港となった。エバノ,パヌコ,ワステカ,トゥスパンなどの油田からの,またシウダードビクトリアやモンテレイなどへのパイプラインも建設され,パヌコ川南岸には石油タンクや製油所が並ぶ。港は近代的な港湾施設,倉庫,タンカーへの石油積込み施設などを備え,現在メキシコで最も近代的な港湾として繁栄。石油産業のほか,機械修理,造船,縫製,缶詰製造,製材などの工業も立地。また海浜保養地としても知られる。交通の便はきわめてよく,鉄道,道路,空路によりメキシコ各地と結ばれる。人口 27万 1636 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タンピコ」の意味・わかりやすい解説

タンピコ
たんぴこ
Tampico

メキシコ中東部、メキシコ湾岸にある港湾都市。タマウリパス州南端に位置する。人口29万5442(2000)。16世紀にスペイン人が海賊と先住民(インディオ)を避けてパヌコ川の北岸に集まり、それが町の起源となった。20世紀初頭に石油が発見され世界的な産油地となったが、1930年代に衰退、主要な油田は南方のポサリカ周辺に移動した。現在は石油化学工業や食品工業を中心とする工業都市となっている。付近にあるミラマル海岸での水浴、パヌコ川での魚釣り、タミアウア潟湖での狩猟などを中心とする観光地としても知られる。南方約200キロメートルのエル・タヒンEl Tajínはトトナカ文化の中心地で、有名な「壁龕(へきがん)のピラミッド」がある。また、その近くの町パパントラPapantlaは、トトナカ人のボラドーレス(鳥人)という珍しい行事が行われることで知られる。

[高木秀樹]

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百科事典マイペディア 「タンピコ」の意味・わかりやすい解説

タンピコ

メキシコ中東部,メキシコ湾岸の鉱工業都市。パヌコ川左岸に位置し,湿地や潟に取り囲まれている。1901年―1921年のオイル・ラッシュで人口が急増し,英米資本によって世界的産油地となった。1938年に国有化され,現在,主要油田は南に移動。29万7284人(2010)。

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