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ギリシア神話のニンフで月桂樹(げっけいじゅ)の擬人化。アルカディアまたはテッサリアの河神の娘とされる。あるとき彼女はアポロンに恋をしかけられたが、これを嫌って逃げた。追われながら助けを求めると、父(またはゼウス)が、アポロンに捕まえられようとするダフネを月桂樹に変えたという。この木はアポロンの木となった。またペロポネソス地方の伝承によれば、ダフネに恋をしたレウキッポスは女装して彼女に近づこうとし、彼女の狩りの仲間に入ることができた。しかし嫉妬(しっと)したアポロンが彼女たちに水浴をさせたため、レウキッポスの女装はたちまち見破られて、彼はダフネに狩りの槍(やり)で殺されたという。
[伊藤照夫]
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…なお,ワーグナーの作品は,とりわけ声量の豊かな歌い手でなければ歌いきることができないために,特別に豊かな声量をもち,ワーグナーの作品のキャラクターに適した歌い手を,とくに〈ワーグナー歌手〉と呼ぶならわしがある。
【歴史】
[オペラの誕生]
オペラの前身は,ルネサンスのイタリアの宮廷で行われた音楽付きの祝祭的な催しのインテルメディオ(インテルメッツォ)にさかのぼると言われるが,実際にオペラの形態をとった最初の作品は,ペーリ作曲の《ダフネ》(1598)であった。しかし,この作品は断片的にしか伝わらず,今日楽譜を伴う完全な形で残っている最古の作品は,1600年にフランス国王アンリ4世とメディチ家のマリア姫の結婚を祝して,フィレンツェで上演されたペーリの《エウリディーチェ》である。…
…1590年ころからメディチ家の歌手となり,コジモ2世の治世(1609‐21)に宮廷音楽監督の地位を得る。フィレンツェでは1580年代末からメディチ家に仕える貴族(バルディ伯とコルシ伯)をパトロンとして,詩人,音楽家,理論家たちが〈カメラータcamerata〉と称するアカデミーを結成し,古代ギリシア悲劇の朗唱法の復活を目ざして研究をつづけていたが,ペーリは90年代半ばからこのカメラータの一員となり,詩人リヌッチーニOttavio Rinuccini(1562‐1621)の協力を得て,音楽的物語《ダフネDafne》(1598初演)と《エウリディーチェEuridice》(1600年メディチ家の婚礼の余興として初演)を完成する。この2作品は,カメラータの会員たちの理論的研究の成果である〈舞台様式stile rappresentativo〉を実践したもので,今日,レチタティーボを用いた近代的なオペラの誕生を意味する作品と見なされている。…
…日当り良好な土地を好む。【星川 清親】
[神話,民俗]
ギリシア神話によれば,愛の神エロスを嘲笑(ちようしよう)したアポロンは罰として黄金の矢を射られ,ニンフのダフネを熱愛してしまった。拒絶する彼女をペネイオス河畔へ追いつめたところ,彼女はゲッケイジュに変身して純潔を守ったという。…
※「ダフネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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