ロシア連邦,西シベリア地方西部,同名州の州都。人口53万8320(2004)。トゥーラ川の両岸にまたがる河港都市で,河川輸送と鉄道輸送との貨物積換地。エカチェリンブルグ,オムスク,スルグートへの鉄道の分岐点。シベリア最古の都市で1586年に創市。17世紀以降シベリアと中国との貿易路の要地であった。19世紀の40年代からシベリアへの河川航路の要衝となる。1885年にエカチェリンブルグ(ソ連期にはスベルドロフスクと改称)と鉄道で結ばれ,船舶建造,木材加工,漁業,じゅうたん製造業が盛んとなる。1944年に州都となってから機械製作,金属加工,木材加工,化学,食品などの工業が発展した。総合大学と工業,建設,農業,医学の単科大学がある。チュメニ州には全域に100以上の豊富な油田,ガス田があり,53年以降大々的に採掘され,同州はバクー地区に代わって旧ソ連第1の石油・天然ガス生産地となった。日本ではスルグート油田,サモトロール油田,ニジネワルトフスク油田などオビ川中流域の油田を総称して〈チュメニ油田〉と呼んでいる。
執筆者:山本 敏
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ロシア連邦中部、チュメニ州の州都。トボル川の支流トゥラ川下流の両岸を占める河港都市で、鉄道の交点でもあり、交通の要地。人口50万3800(1999)。同州の油田・天然ガス田の開発基地で、機械製造(船舶の建造・修理、モーター、電気機械、蓄電池、トラクター、建設機械、鍛造(たんぞう)・圧搾機械、医療機械、飛行機)、木材加工(製材、パネル、家具)、化学(プラスチック、化学薬品)、建設資材、軽工業、食料品などの工業がある。1581年(または82年)、イェルマークの部隊が占領したタタール人の町チンギ・トゥラの場所に、1586年シベリアで最初のロシアの町を建設したのが起源である。
[三上正利]
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