テニアン島(読み)テニアントウ

デジタル大辞泉 「テニアン島」の意味・読み・例文・類語

テニアン‐とう〔‐タウ〕【テニアン島】

Tinian》太平洋西部、マリアナ諸島の島。約5キロメートルの水道を隔ててサイパン島南西に位置する。第一次大戦後日本委任統治領。太平洋戦争中は日米激戦地。戦後は米国信託統治領、現在は米国自治領北マリアナ連邦所属観光業農業牧畜が盛ん。中心地は南西岸のサンホセ

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共同通信ニュース用語解説 「テニアン島」の解説

テニアン島

北マリアナ諸島に位置し、サイパン島から南へ約5キロ、面積は約100平方キロ。1944年7月、米軍がテニアン島に上陸。沖縄県出身者を中心に移民も多く、日本兵とともに「玉砕」した悲劇の島でもある。45年8月6日未明、同島の米軍ノースフィールド基地から、広島に投下された原爆リトルボーイを積んだB29エノラ・ゲイ出撃。同9日、長崎に落とされたファットマンを載せたB29ボックスカーが離陸。広島、長崎は壊滅的な被害を受けた。

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精選版 日本国語大辞典 「テニアン島」の意味・読み・例文・類語

テニアン‐とう‥タウ【テニアン島】

  1. ( テニアンはTinian )[ 異表記 ] テニヤンとう 太平洋北西部、マリアナ諸島の小島。面積一〇一平方キロメートル。第一次世界大戦以後、第二次世界大戦までは日本の委任統治領。昭和一九年(一九四四)、日本軍守備隊がアメリカ軍の攻撃を受けて全滅。現在はアメリカの自治領、北マリアナ諸島連邦に所属。

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改訂新版 世界大百科事典 「テニアン島」の意味・わかりやすい解説

テニアン[島]
Tinian Island

西太平洋,マリアナ諸島の火山島。アメリカの自治領〈北マリアナ諸島〉に属する。面積98km2,人口3500(2000)。ラッテと呼ばれる巨石柱の考古学的遺物は諸島中最大である。かつては多くのチャモロ族が居住していたが,1695年スペイン政府により統治の必要上からグアム島に強制移住させられた。19世紀初めグアムおよびカロリン諸島から数人の移住者が来島するまで,島は無住で,野性化した牛や豚の天国となっていた。第1次大戦後の日本統治時代,島の大部分はサトウキビ畑となったが,戦争によって荒廃した。現在,牛と野菜の生産が行われている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テニアン島」の意味・わかりやすい解説

テニアン島
てにあんとう
Tinian

太平洋西部、ミクロネシアのマリアナ諸島にある島。北マリアナ連邦(1978年発足)に所属。幅4.8キロメートルの水道を隔てて北にサイパンSaipan島がある。南北16キロメートル、東西8キロメートル、面積101平方キロメートルの火山島だが、最高峰はラッソLasso山の173メートルにすぎない。人口899(1980)。1919年から第二次世界大戦終了時までは日本委任統治領、戦後はアメリカ信託統治領。日本統治時代にはサトウキビとパイナップルの生産をあげ、いまでも農業が主産業であるが、これに牧畜と観光産業が加わっている。第二次世界大戦の激戦地。

[大島襄二]

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世界大百科事典(旧版)内のテニアン島の言及

【B29】より

…愛称スーパーフォートレスSuperfortress。ボーイング社により開発された米軍の大型長距離爆撃機で,太平洋戦争中は,1944年6月16日,中国大陸の成都から発進し,北九州八幡地区の爆撃に使用されて以降,サイパン島,テニアン島などを基地として,終戦まで日本の各都市の爆撃,および広島,長崎への原爆の投下に使われ,後に朝鮮戦争においても使用された。開発は1940年1月に開始され,試作機の初飛行は42年9月に行われた。…

※「テニアン島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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