テンス(その他表記)Inistius dea

デジタル大辞泉 「テンス」の意味・読み・例文・類語

テンス(tense)

時制じせい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「テンス」の意味・読み・例文・類語

テンス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] tense ) 印欧語などの文法範疇一つ動詞活用によって、その動詞の表わす動作状態が行なわれる時を示すもの。また、それによって示される現在・過去などの時をいう。時制。時称。
    1. [初出の実例]「又文章の時間(テンス)は過去に書く人多けれど」(出典消息(1899‐1900)〈正岡子規〉)

てんす

  1. 〘 名詞 〙 寒天(かんてん)をいう女房詞

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「テンス」の意味・わかりやすい解説

テンス
Inistius dea

スズキ目ベラ科の海産魚。全長35cmに達するやや大型のベラ。体高が高く,側扁度が強い。体型が似ているのでアマダイ串本)とも呼ばれることがある。テンスは三崎江ノ島での呼名で,テス(関西,四国)ともいう。背びれ第1棘(きよく)は糸状にのび,また第1棘と第2棘は第3棘以下とやや離れ,鰭膜(きまく)もとぎれている。紫紅色,あるいは黄赤色の地色に,不明りょうな4条の濃赤色の横帯が体側にある。背びれの前部約1/3くらいのところの下側に瞳孔大の黒い斑点がある。本州中部以南,沖縄,朝鮮半島南部,東シナ海~南シナ海,マレー諸島まで分布する。多くのベラ類より,やや深いところにすむ。南日本でかなりまとまってとれ,かまぼこ原料にもなる。しゅんは夏だが,そう美味ではない。室戸岬地方では焼いてそうめんのだしに使う。
執筆者:


テンス
tense

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テンス」の意味・わかりやすい解説

テンス(海水魚)
てんす / 天須
razorfish
[学] Xyrichthys dea

硬骨魚綱スズキ目ベラ科に属する海水魚。太平洋側は東京湾、日本海側は島根県以南の南日本、南シナ海、東インド諸島に分布する。体は著しく側扁(そくへん)し、背びれの第1と第2棘(きょく)が、その次の棘から離れているのが特徴。体の地色は淡紅色で、通常3、4条の幅広い暗赤色横帯がある。雌は背びれ第5棘の付け根に丸い紫黒色斑(はん)をもつが、雄はこれを欠く。全長30センチメートル。幼魚は背びれ前部の遊離棘が著しく長く、体色は淡褐色から黒褐色まで変異が多い。やや深い岩礁の周辺の砂泥底にすみ、肉食性。肉質は柔らかいが、ベラ類のなかでは味がよいほうである。

[荒賀忠一]



テンス(時制)
てんす

時制

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テンス」の意味・わかりやすい解説

テンス
Iniistius dea

スズキ目ベラ科の海水魚。全長 30cm内外。体は強く側扁し,体高が高く,背鰭の第1,2棘は第3棘と離れている。両顎先端から 2本ずつ犬歯が突き出ている。体色は美しい紫紅色で,濃赤色の 4本の横帯があり,胸鰭上方の背縁近くに青黒色の斑点がある。沿岸性。日本の本州中部から東インド諸島に分布する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のテンスの言及

【時制】より

…動詞にみられる文法的カテゴリーの一つで,動詞の表す行為・状態などを時間軸上にどう位置づけるかにかかわるものである。日本語で〈時称〉あるいは〈テンス〉とも呼ばれる。伝統文法では,話者の発話の時点を基準にしてそれを現在とし,前後を過去および未来とするシステムがたてられた。…

※「テンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android