テート・ギャラリー(読み)テートギャラリー(英語表記)Tate Gallery

翻訳|Tate Gallery

百科事典マイペディア 「テート・ギャラリー」の意味・わかりやすい解説

テート・ギャラリー

ロンドンにある国立美術館。イギリス美術重点を置いた美術館の設立への要望が高まり,実業家ヘンリー・テート卿Henry Tate〔1819-1899〕の65点の近代英国絵画コレクションをもとにナショナル・ギャラリー分館として1897年に開館し,1916年に外国部門のギャラリー新設。1955年に独立した。19世紀以降の英国を中心とする絵画コレクション,特にターナー国家に寄贈した膨大な量の自作を始めとして,コンスタブルホガースレーノルズゲーンズバラの代表作をそろえた収集で知られる。
→関連項目ロンドン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テート・ギャラリー」の意味・わかりやすい解説

テート・ギャラリー
てーとぎゃらりー
Tate Gallery

ロンドンのミルバンクにあるイギリスの代表的美術館テートブリテン旧称。16世紀以降のイギリス人作家の作品を網羅すると同時に、19世紀後半以降の外国人作家の絵画、彫刻版画収蔵・展示してきたが、コレクションの拡大により、2000年バンクサイドにテート・モダンを開設、20世紀以降の作品はテート・モダンへと移された。それに伴い2001年テート・ギャラリーはテート・ブリテンに改称された。テート・ギャラリーの歴史は、製糖で財をなしたヘンリー・テート卿(きょう)が作品と建物を寄贈し、イギリス美術を展示する美術館として1897年に開館したのに始まる。近代美術の収集が開始されたのは1917年からであり、また1955年に独立した機関となるまではナショナル・ギャラリーの別館とされていた。1979年までに5回の拡張工事が行われて矩形(くけい)となった建物は、西半分が国内美術に、東半分が海外作品と近代美術の展示にあてられた。コレクションには、イギリス最大の風景画家ターナーが1851年に国家に遺贈した180点の油彩画と1900点の素描水彩画が含まれ、ホガース、レノルズ、ゲーンズバラ、ラファエル前派の画家などの代表作を展示する。また、水彩画や版画を主とするブレイクとその追随者パーマーやカルバートらの作品には、照明にくふうを凝らした一室が与えられている。

[湊 典子]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テート・ギャラリー」の意味・わかりやすい解説

テート・ギャラリー
Tate Gallery, London

イギリス,ロンドンにある国立美術館。名称は 1889年に絵画のコレクションを国家に寄贈し,建設資金を提供して当館開設の基礎をつくったテート卿に由来する。 97年ロンドンのナショナル・ギャラリーの分館として開館した。建物は S.スミスの設計による。 1915年,イギリス美術と外国の近代美術を専門とすることが定められ,55年独立。 87年にはクロー・ギャラリーが新設され,ターナーの作品が一括して展示されている。収蔵品には,そのほか W.ブレークの水彩画,とりわけダンテの『神曲』の挿絵連作,H.ムーア,B.ニコルソン,F.ベーコンらのコレクションなどが知られる。

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