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テーベ伝説 テーベでんせつTheban legend

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

テーベ伝説
テーベでんせつ
Theban legend

ギリシア神話の一部。ボイオチア地方の古都テーベを舞台に展開する伝説で,トロイ伝説と並ぶ重要な叙事詩圏を構成し,悲劇にも多くの素材を提供した。カドモスと,彼が退治した竜の歯を地面にまいて誕生させたスパルトイによる市の創建が発端。カドモスは人間の身で,アレスとアフロディテの娘ハルモニアと結婚する光栄に浴するが,ゼウスの愛を受けディオニュソスを妊娠しながら,この子を分娩する前にヘラの嫉妬の犠牲になって頓死をとげるセメレをはじめ,彼の娘たちはみな不幸な目にあう。跡を継いだ孫のペンテウスは,自分のいとこにあたるディオニュソスの信仰が広まるのを阻止しようとして,母や叔母たちに率いられた信女の群れに八つ裂きにされ,そのあとポリュドロス,ラブダコスなど歴代の王はみな若死にして,王位はリュコスの手を経て,ゼウスの種によりアンチオペから生れた双子の兄弟アンフィオンとゼトスのものとなり,彼らによって7つの門をもつ名高い城壁が建造される。しかしこの家もアンフィオンの妻ニオベの暴言が原因で,アポロンとアルテミスの神罰によって根絶される。そのあと王位は,またカドモスの子孫のライオスのものとなるが,彼は神託に予言されたとおり,息子のオイディプスに殺され,知らずに父殺しの罪を犯したオイディプスは,スフィンクスの謎を解いてテーベの王となり,母のイオカステと結婚し,このことが発覚するとイオカステは自殺し,オイディプスは自分の手で盲目となり,諸国を放浪した末,アッチカのコロノスで死ぬ。彼の遺児エテオクレスポリュネイケスの王位をめぐる争いから7将によるテーベ攻めが起り,この遠征軍は激戦の末撃退されるが,戦闘中にエテオクレスとポリュネイケスは相討ちになってともに死に,そのあと王になったクレオンが敵方の戦死者を弔うのを禁じたことが原因で,この布告にそむき兄弟のポリュネイケスを埋葬しようとして捕えられ,自殺をとげるアンチゴネの悲劇が起る。クレオンの治下にテーベでは,ヘラクレスの誕生とその初期の活躍がみられるが,市のために手柄を立て,クレオンの娘メガラを妻に与えられたヘラクレスは,ヘラによって狂気に陥らされて彼女から生れた子たちを皆殺しにしてしまう。クレオンの跡を継いだエテオクレスの遺児ラオダマスの治世に,テーベは前の7将の遺児であるエピゴノイたちに率いられた軍勢の攻撃を受け,ついに攻略され,市も城壁も破壊されたという。

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百科事典マイペディアの解説

テーベ伝説【テーベでんせつ】

テーベ(テーバイ)にまつわる古代ギリシアの神話伝説。カドモスの建国の物語に始まって,運命にとらえられたオイディプス王の悲劇,ポリュネイケスとエテオクレス兄弟の王位をめぐる相克,ポリュネイケスがアドラストスをはじめ7将でテーベ市の七つの門を攻撃し,敗れて兄弟相討ちで死ぬ物語,兄の死体処理をめぐるアンティゴネの悲劇などが含まれる。
→関連項目エピゴノイ

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世界大百科事典 第2版の解説

テーベでんせつ【テーベ伝説】

古代ギリシアの神話伝説の一つ。ボイオティア地方の主都テーベ(テーバイ)はミュケナイ時代にさかのぼる古い都市で,豊富な神話伝説の舞台となった。それらはトロイア伝説と同様,かつては《オイディポデイア》《テーバイス》《エピゴノイ》など連鎖する幾つかの叙事詩に語られていた。これら古叙事詩はわずかな断片を除いて散逸したが,前5世紀の悲劇に題材を提供し,これを通して詳細な局面も知られる。以下では伝説をできごとの順に従って便宜上三分して大筋をたどる。

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