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ディオスコリデス ディオスコリデス Dioscorides, Pedanius

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ディオスコリデス
ディオスコリデス
Dioscorides, Pedanius

[生]40頃.キリキアアナザルボス
[没]90頃
ギリシアの医者,植物学者。タルススアレクサンドリアで医学を学ぶ。ローマ皇帝ネロの軍医として各地を回り,多くの植物・鉱物の特徴,分布,薬物効果を実地に調査。主著『薬物論』 De materia medica (5巻,77頃) を残す。

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世界大百科事典 第2版の解説

ディオスコリデス【Dioskoridēs】

ローマ時代の医者,古代における薬物学の大成者。生没年は不詳だが,後50‐70年がその活躍期。ディオスクリデスDioskouridēsともいう。小アジアのキリキア地方アナザルボスの出身。ネロ皇帝治下のローマ帝国内で軍医として勤務,広く旅して薬物を実地研究し,《薬物誌》5巻を著した。薬物に対する合理的で鋭い鑑識眼をそなえ,当時形式化されかけていた分類法を再構築し,植物・動物・鉱物万般を収れん・利尿・下剤など,薬理・機能上から分類した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ディオスコリデス
でぃおすこりです
Pedanios Dioskorides
(40ころ―90ころ)

ローマ時代のギリシア系の植物学者、薬学者。小アジアのアナザルボス(トルコアダナ付近)の出身で、1世紀後半に活躍した。ローマ皇帝ネロ(在位54~68)の軍隊で軍医として勤務、医学的には四体液説(病気の原因は四つの体液のアンバランスにあるとした説)をとった。著書に百科事典的な『薬物について』Peri hyls iatriks5巻がある。そこには約500種の薬草があげられ、それらの名称と薬効が記されている。そしてプラトンからネロ帝までの時代の薬草の知識を、迷信を排しながら注意深く選択、整理し、それ以前の古い薬学書を科学的に批判している。この著書は、ルネサンス以後までも影響を及ぼした。[平田 寛]
『鷲谷いづみ訳『ディオスコリデスの薬物誌』(1983・エンタプライズ)』

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世界大百科事典内のディオスコリデスの言及

【シャクヤク(芍薬)】より

…この貴重な薬草を採取するには,マンドラゴラと同じように,深夜イヌに紐を結んで引き抜かせる方法がとられた。またディオスコリデスの《薬物誌》に,〈盛夏の日の出前に抜き取ったシャクヤクを,体のまわりにつるせば,毒物,魔法,恐怖,悪魔,またのろいを防ぎ,夜あるいは昼に起こる震えを伴う熱なども防ぐ〉とある。イギリスの伝説では,過ちを犯した妖精が不面目を恥じてシャクヤクの陰に隠れたため,花が赤く染まったとされ,花言葉の〈恥じらい〉もそれにちなむという。…

【生薬】より

…テオフラストスが記載した生薬は約480種類で,甘草,アニス,レモン,麦角(ばつかく),トラガカント,胡椒(こしよう),没食子(もつしよくし)などである。ローマ時代,ギリシア人のディオスコリデスは77年《薬物誌De materia medica》全5巻を書いた。それには植物性60,動物性80,鉱物性50品目が記載されている。…

【博物学】より

…インド,ペルシア方面についてはクテシアスの旅行記,アフリカ方面については,カルタゴの提督ハンノHanno(前5世紀)の随行者による報告などがまとめられ,1世紀には大プリニウス《博物誌》に集大成された。また植物に関してはほぼ同じころディオスコリデス《薬物誌》にその成果が結実した。このようにして,インドから中国に及ぶ東洋やアフリカの博物は,その主要な部分が古代にほぼ記述し尽くされた。…

【本草学】より

…ヨーロッパのハーバリズムはテオフラストスに始まり,その《植物誌》は植物学書の始まりとされる。P.ディオスコリデスの《薬物誌De materia medica》には約600種の植物とその用法が記され,1世紀に公にされてから長いあいだ植物薬学の基準となっていた。その後,13世紀のアルベルトゥス・マグヌスの《植物論De vegetabilibus》を除けばめぼしい業績はなかったが,16世紀に至ってディオスコリデスの追加訂正の形でブルンフェルスO.Brunfels,フックスL.Fuchs,クルシウスC.de Clusiusらの植物の図解が次々と世に出たほか,16世紀末にはA.チェザルピーノの《植物学De plantis libri》がまとめられた。…

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