トウガラシ(唐辛子)(読み)トウガラシ(英語表記)Capsicum annuum; red pepper

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トウガラシ(唐辛子)」の意味・わかりやすい解説

トウガラシ(唐辛子)
トウガラシ
Capsicum annuum; red pepper

ナス科の草本。南アメリカ原産で,熱帯から温帯にかけて広く栽培されている。温帯では一年草として栽培される。普通,果実は赤熟し,生のまま,あるいは乾燥して香辛料として用いられ,若い葉も食用とされることが多い。日本にはポルトガル人によって伝えられたとも,朝鮮から持帰られたともいわれており,このため,南蛮とか高麗胡椒などとも呼ばれている。種類が多く,辛みにも大きな差があるが,一般に細くて小型の果実をもつ辛み種と,丸くて大型の果実をもつ辛みの少い甘み種がある。辛み種としてはタバスコ,八房,鷹の爪,ハンガリーエローワックス,甘み種としては伏見獅子唐,カリフォルニアワンダー,ピメントなどが知られている。ビタミンA,Cの含有量が高く,辛みはカプサイシンと呼ばれる物質である。辛み種のものは生果のまま,あるいは刻んで粉末にし,ソース原料あるいはカレー粉,七味唐辛子,その他の調味料,皮膚刺激薬 (ハップ剤) ,辛味性健胃剤に使われ,甘み種は通常ピーマンと総称され,野菜として料理に用いられる。

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百科事典マイペディア 「トウガラシ(唐辛子)」の意味・わかりやすい解説

トウガラシ(唐辛子)【トウガラシ】

熱帯アメリカ原産のナス科植物。温帯では一年草,熱帯では多年草。高さ60〜90cmで葉は楕円形,花は白色。果実は球形,長卵形,細長いくちばし形など種々,辛味成分カプサイシンの多少によって辛味種と甘味種とに分ける。辛味種は成熟すると赤色になり,トウガラシとは一般にこれをさす。コロンブスによってヨーロッパに伝えられ,日本には16世紀に伝来。香辛料として世界的に重要で,特にメキシコ・インド・朝鮮料理などに欠かせない。果実のほか,葉にも辛みがあり,葉トウガラシとして利用される。甘味種には大果系(ピーマン)と小果系とがある。
→関連項目香辛料

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