曲率半径の大きい平凸レンズの凸面をガラスの平面上に置いて単色光で照らし、反射光または透過光を観察した場合に現れる接触点を中心とした干渉縞(じま)のこと。手近にある眼鏡のレンズ玉の凸面の上に透明なガラス板またはアクリル板の小片をのせて蛍光灯のそばで反射光を見ると、蛍光灯の反射像のなかには両面の接触点のところに直径0.5ミリメートルくらいの黒い丸い斑点(はんてん)がちらちら揺れているのに気がつく。蛍光灯のかわりに、明るい雲を映しても同様の結果が得られる。虫めがねでこの斑点を拡大してみると、外側ほど細く色づいた同心円状のリングで構成されていることがわかる。ニュートンはこの現象をプリズムの面や望遠鏡の対物レンズの表面などを使って研究した結果をその著書『光学』(1704)のなかに詳しく報告しているので、今日これをニュートン環やニュートン・リングとよんでいる。
凸レンズとガラス板の接触点の付近に入射して、間隙(かんげき)の上側の面で反射した光と下側の面で反射した光を重ね合わせると、下側の面で反射した光は上面までの往復の距離に相当するだけ上面の反射光より遅れて進み、また反射の際に位相が半波長分だけとぶ。そのために両光の間に位相差が生じ、位相差が半波長の奇数倍のところでは干渉の結果暗くなり、偶数倍のところでは明るくなる。これらの条件を満足する点は接触点(暗点、前述の黒い斑点)を中心に同心円状に配列されているから、干渉縞も接触点を中心とする同心円状のリングとなるのである。明暗の縞となる厚さは波長によって異なるから、白色光で見ると色づいた同心円となる。ニュートン環は今日でも研磨面の検査などに使われる。
[石黒浩三・久我隆弘 2015年6月17日]
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