ニューブリテン島(読み)ニューブリテントウ(英語表記)New Britain

翻訳|New Britain

デジタル大辞泉 「ニューブリテン島」の意味・読み・例文・類語

ニューブリテン‐とう〔‐タウ〕【ニューブリテン島】

New Britain》パプアニューギニア東部の島。ビスマーク諸島に属する。中心地は北東岸のラバウル熱帯雨林に覆われ、ウラウン山タブルブル山、ブルカン山などの火山がある。ココヤシココア木材産出

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精選版 日本国語大辞典 「ニューブリテン島」の意味・読み・例文・類語

ニューブリテン‐とう ‥タウ【ニューブリテン島】

(ニューブリテンはNew Britain) 南西太平洋のビスマーク諸島の主島で、パプアニューギニア領。ニューギニア島の北東方にあり、ラバウルをはじめ良港に恵まれる。一七〇〇年イギリスのダンビアが命名。一八八四年にドイツ領となり、ノイエポンメルン島と改称されたが、第一次世界大戦後ドイツの手をはなれ、もとの名に復した。

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改訂新版 世界大百科事典 「ニューブリテン島」の意味・わかりやすい解説

ニューブリテン[島]
New Britain Island

南西太平洋,パプア・ニューギニア領の島。ニューギニア島の東方に浮かぶビズマーク諸島中最大の島。三日月形をしており,長さ約600km,最大幅約80km,面積約3万7700km2人口40万(2000)。険しい山々が連なり,多くの火山がある。気候は熱帯性で雨も多い。1700年にW.ダンピアにより西欧に紹介され,ドイツの保護領を経て第1次大戦後オーストラリアの委任統治領となった。第2次大戦中は一時日本軍に占領され,日本軍とアメリカ・オーストラリア連合軍との戦場となった。戦後はオーストラリアの信託統治領を経て,1975年独立したパプア・ニューギニアに属し,島の東部は東ニューブリテン州(州都ラバウル),西部は西ニューブリテン州(州都キンベ)を構成している。第2次大戦中,日本軍の前進基地であったラバウルは,良港としても有名で,南太平洋の交通で重要な役割を演じている。このラバウルの位置する島の北東部のガゼレ半島には,パプア・ニューギニア国内でも屈指のココヤシのプランテーションがある。そのためラバウルとキンベ近郊には,それぞれ大規模なコプラ粉砕所,ヤシ油加工工場があり,パプア・ニューギニアの輸出産業に貢献している。島の東部はココアの重要な生産地でもある。

 島民はメラネシア系で,都市部に住む人々を除けば,主としてタロイモ,バナナなどの農耕に従事している。彼らが西欧と接触する以前にもっていた独自な文化のなかでは,ドゥク・ドゥクやインギエットと呼ばれる秘密結社が有名である。これは男子だけの結社で,妖怪の衣装を身にまとった結社のメンバーが,加入希望者たちをむちで打って恐怖を与えたのち,衣装を脱いで自分が人間であることを教える,といったユニークな儀礼を伴っている。この儀礼を経た者が結社のメンバーとなり,結社の種々の秘密を共有するのであるが,こういった制度も,キリスト教貨幣経済の浸透した今日では姿を消している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニューブリテン島」の意味・わかりやすい解説

ニューブリテン島
ニューブリテンとう
New Britain

パプアニューギニア東部,ビスマーク諸島最大の島。ファーザー (ウラウン) 山 (2300m) はじめ火山が多い。行政上東西の2県に分れているが,東部が人口の3分の2を占め,経済的にも開発が進んでいる。特にラバウルを中心とするガゼル半島への集中が著しい。自給作物としてタロイモを栽培するほか,商品作物として東部ではココヤシ,カカオ,西部ではアブラヤシ,ココヤシを栽培。面積3万 6500km2。人口 26万 3500 (1989推計) 。

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