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ニューモシスチス・カリニ肺炎(カリニ肺炎) にゅーもしすちすかりにはいえんかりにはいえん

家庭医学館の解説

にゅーもしすちすかりにはいえんかりにはいえん【ニューモシスチス・カリニ肺炎(カリニ肺炎)】

[どんな病気か]
 ニューモシスチス・カリニという原虫(げんちゅう)とかびの性質を合わせもった特異な微生物が肺に感染しておこる肺炎です。
 感染に対する抵抗力(免疫(「免疫のしくみとはたらき」))が十分にはたらいている健康な人におこることはなく、がんなどの悪性腫瘍(あくせいしゅよう)を治療するために抗がん剤が使用されていたり、臓器移植や膠原病(こうげんびょう)などで免疫抑制薬や副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンが使用されていて、極端に免疫が低下している人に感染症の症状が現われます。
 最近では、エイズにともなう日和見感染症(ひよりみかんせんしょう)として、もっともよくみられ、重要な病気となりました。
[症状]
 呼吸困難や頻呼吸(ひんこきゅう)(通常より呼吸数が多い)がおもにみられ、発熱やせきをともないますが、たんはほとんど出ないことがふつうです。
 胸部X線写真をみて、ほとんど陰影がみられない初期でも、しばしば呼吸困難が現われます。
[検査と診断]
 たんに含まれる病原体を証明して診断します。しかし、たんの量が少ないために、気管支に入れる特殊な内視鏡(気管支鏡(きかんしきょう))を使って、肺の組織をとって顕微鏡で調べたり、気管支肺胞洗浄という方法で採取した洗浄液中のニューモシスチス・カリニを探します。ただし、全身の状態が悪いために気管支鏡が使えない場合には、誘発喀痰法(ゆうはつかくたんほう)(濃い生理食塩水を吸入してたんを出し、集める方法)が最近使われるようになりました。
 また、免疫の低下した患者さんが、この病気のような特徴的な症状をおこした場合は、この病気に対する治療を行ない、肺炎がよくなったら診断を確定することもあります(診断的治療)。
[治療]
 トリメトプリムとサルファ剤を配合した薬(合剤)を2週間内服したり、点滴したりします。また、ペンタミジン製剤を注射したり吸入する方法もあり、吸入は注射よりも副作用が少なく、比較的よい結果が得られます。
 免疫力が低下して、ニューモシスチス・カリニ肺炎をおこしやすい人には、トリメトプリムとサルファ剤の合剤(治療量の4分の1から6分の1)を毎日服用したり、ペンタミジンの吸入を月に1度実施して予防します。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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