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20世紀の30~50年代に米英でさかんであった批評の一流派。〈新批評〉とも訳す。20年代のT.S.エリオットやI.A.リチャーズらによる新しい文学意識にもとづき,文学作品(とくに詩)の精密・客観的な評価をめざした。J.C.ランサム,A.テートらの率いるアメリカの〈南部批評家〉がその母体とみなされるが,イギリス側ではケンブリッジ大学でリチャーズの教えを受けたW.エンプソンをその数に入れることもある。20世紀の知的で難解な新しい詩,およびそれとの強い類似性を示す17世紀イギリスの〈形而上詩〉を偏愛した。方法としては,作品の微細な分析を展開する実践批評を特徴とした。これを教室での文学教育の現場に移したのが,C.ブルックスとR.P.ウォレンらによる《詩の理解》(1938),《小説の理解》(1943)などであり,アメリカ各地の大学で広く用いられ,多大の影響を及ぼした。
執筆者:川崎 寿彦
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…また,より包括的な衝動を含みこんだ作品ほどよしとし,それを根拠づけた《文学批評の原理》(1924)は,1920年代から30年代にかけての批評革命の聖書的存在であった。ほかに《科学と詩》(1925),C.K.オグデンとの共著で意味論に道を開いた《意味の意味》(1923)などがあり,アメリカの〈ニュー・クリティシズム〉の誕生に大きな影響を与えた。しかし,彼自身は文学批評よりもオグデンのベーシック・イングリッシュに興味をもち,この方面に専心したが,44年アメリカのハーバード大学に移ってのち,とくに晩年R.ヤコブソンとの交友から再び文学理論をレトリックの面から検討,精錬した。…
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