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ニーバー Niebuhr, Reinhold

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ニーバー
Niebuhr, Reinhold

[生]1892.6.21. ミズーリ,ライトシティー
[没]1971.6.2. マサチューセッツ,ストックブリッジ
アメリカのプロテスタント神学者,文明批評家。新正統派の先駆者。デトロイト牧師をつとめたのち,ニューヨークのユニオン神学大学で宗教哲学の助教授 (1928~30) ,応用神学の教授 (30~60) をつとめた。ヒューマニスティックな自由主義と理想的社会主義とを特徴とする初期の思想は,アウグスチヌス的自己愛の消去とマルキシズムに境を接する社会的急進主義を主張する『道徳的人間と非道徳的社会』 Moral Man and Immoral Society (32) に結実した。しかし全体主義,教条主義を忌み,第2次世界大戦後は,マルキシズムへの傾斜は消え,晩年は歴史へ関心が移り,人間を本質的に歴史的な存在としてとらえた。主著『信仰と歴史』 Faith and History (49) ,『アメリカ史のアイロニー』 The Irony of American History (52) ,『自己と歴史のドラマ』 The Self and the Dramas of History (55) ,『国家と帝国の構造』 The Structure of Nations and Empires (59) 。

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デジタル大辞泉の解説

ニーバー(Reinhold Niebuhr)

[1892~1971]米国の神学者・倫理学者・牧師。「文明は宗教を必要とするか」「道徳的人間と非道徳的社会」など、近代社会キリスト教倫理に関する著書を多数著した。

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百科事典マイペディアの解説

ニーバー

米国のドイツ系プロテスタント神学者,ユニオン神学大学教授。弁証法神学を基礎に歴史や社会を批判的に分析し,キリスト教的社会倫理の樹立を目ざした。ケナン,モーゲンソーら現実主義的政治理論家の師,国務省顧問として政策にも関与した。
→関連項目ティリヒ

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世界大百科事典 第2版の解説

ニーバー【Reinhold Niebuhr】

1892‐1971
アメリカのプロテスタント神学者,倫理学者。ドイツ移民ルター派系(エバンジェリカル派,今はコングリゲーショナル派などと合同教会をつくる)の牧師の子としてミズーリ州ライト・シティに生まれ,同派のエルムハースト大学,イーデン神学大学を経て,イェール大学神学大学院に学ぶ。デトロイトのベセル・エバンジェリカル教会牧師(1915‐28)として近代産業都市の問題と取り組み,処女作《文明は宗教を必要とするか》(1927)を出版。

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大辞林 第三版の解説

ニーバー【Reinhold Niebuhr】

1892~1971) アメリカの神学者。キリスト教現実主義の立場から、社会問題に対して洞察に富む発言を行なった。著「文明は宗教を必要とするか」「人間の本性と運命」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ニーバー
にーばー
Reinhold Niebuhr
(1892―1971)

20世紀アメリカの代表的神学者。エール大学に学ぶ。大恐慌前の自動車産業都市デトロイトで、13年間牧師として説教しつつ資本主義社会の諸問題と取り組み、キリスト教社会主義を提唱した。1929年から約30年間ニューヨークのユニオン神学大学でキリスト教社会倫理学教授として教えるかたわら、ニューディールなどのアメリカの政治、経済、社会問題からナチズムや共産主義、そして第二次世界大戦などの国際問題について、社会キリスト者同盟機関誌『キリスト教と社会』や隔週誌『キリスト教と危機』などで論陣を張り、知識層に大きな感化を及ぼした。聖書的な人間観や歴史観の深い洞察、その現代的考察と応用を提示する彼のキリスト教的現実主義は、戦後のアメリカ教会のみならず、国家の対外政策、ことに対共産主義国政策にも少なからぬ影響を与えている。政治哲学者としての民主主義論と歴史神学者としての終末論的歴史観が有名。[古屋安雄]
『ニーバー著、大木英夫訳『道徳的人間と非道徳的社会』(1974/1998/新装復刊・2014・白水社) ▽ニーバー著、大木英夫・深井智朗訳『アメリカ史のアイロニー』(2002・聖学院大学出版会) ▽ニーバー著、高橋義文・西川淑子訳『ソーシャルワークを支える宗教の視点――その意義と課題』(2010・聖学院大学出版会)』

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