ノミ(蚤)(読み)ノミ

百科事典マイペディア 「ノミ(蚤)」の意味・わかりやすい解説

ノミ(蚤)【ノミ】

ノミ目(隠翅(いんし)目)に属する昆虫総称。体長4mm以下の微小種が多く,褐色。縦に扁平で,後肢はよく発達して跳躍するものが多い。翅は退化して全くない。完全変態。一世代は季節によって異なるが,一般に約1ヵ月内外。幼虫は乳白色の蛆(うじ)状で,老熟幼虫は繭を作って蛹化(ようか)する。成虫は雌雄ともに哺乳(ほにゅう)類の皮毛の間に寄生し,皮膚から吸血する。昆虫の中では系統上最も新しく,哺乳類の出現以後に双翅目中の下等な一群から分化し,発展したといわれる。哺乳類の種類によってそれぞれ異なった種類のノミが寄生するが,コウモリ類やサル類などには寄生しない。ヒトノミだけでなくネズミに寄生するノミ類も人間を吸血することがあり,特にケオプスネズミノミペストを媒介するので有名。防除は床下や畳の下の清掃が第一。

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