ハリセンボン(英語表記)Diodon holocanthus

  • はりせんぼん / 針千本

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フグ目ハリセンボン科の海水魚。体はやや丸形に太り,腹部も丸い。大きいもので全長 50cm。全身は多数の長いとげで覆われている。多くのとげは 2根で,外敵に襲われたときなど体をふくらませてとげを立てることができる。上下両顎に各 1枚の大きな板をもっている。無毒。世界各地の暖海に分布する。

ヤマブシタケ(山伏茸)」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディアの解説

ハリセンボン科の魚。地方名バラフグハリフグ,カゼフグなど。体表は,強くて長いとげでおおわれ,歯は癒合(ゆごう)して歯板となる。全長40cm。無毒で地方によっては食用にする。世界中の暖海に分布し,日本では全長15cm以下の幼魚大群をなして現れ,漁業の障害になることがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硬骨魚綱フグ目ハリセンボン科に属する海水魚。本州中部以南の日本沿岸各地と世界中の温帯・熱帯海域に分布する。体の全面に鱗(うろこ)が変形した長い棘(とげ)が密生するためハリフグの別名もある。この棘は可動性で、危険が迫ると体を膨張させて棘を立て、球形のイガグリのようになる。棘の数は400~500本。通常は棘を倒している。体長35センチメートルに達する。体色は背側が褐色で暗褐色斑(はん)があり腹側は白い。

 産卵期は4~8月で、琉球(りゅうきゅう)諸島、台湾、ルソン島近海で産卵するとされている。卵は球形の分離浮性卵で、1尾の雌が約3万個の卵を産む。仔魚(しぎょ)はハコフグの甲らのような「ハコ(箱)」をかぶっている。幼魚は大群をなして移動し、黒潮や対馬(つしま)暖流に運ばれて日本沿岸に現れる。成魚は沿岸のサンゴ礁に生息する。肉はまったく無毒で、沖縄県地方では食用としている。また、産地では「フグ提灯(ちょうちん)」として土産(みやげ)物になっている。

[松浦啓一]


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