出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
アメリカの批評家。ハーバード大学教授としてP・E・モアと新人文主義(ニュー・ヒューマニズム)を唱導し、T・S・エリオットに大きな影響を与えた。人文主義を古典的伝統に基づく倫理性の追求と規定し人道主義と峻別(しゅんべつ)、実利主義を生んだベーコンと漠然たる憧憬(しょうけい)のみを助長したルソーが混乱した精神状況の元凶であると主張した。『ルソーとロマン主義』(1919)が代表作。ほかに『新ラオコーン』(1910)など。
[森 常治 2015年10月20日]
アメリカ合衆国の作曲家。初め数学者を目ざしペンシルベニア大学に学ぶが,途中ニューヨーク大学に移り音楽を学ぶ。R.セッションズらに師事し,シェーンベルクの十二音音楽の影響を強く受ける。第2次世界大戦中より進められた十二音音楽の体系化の試みは,戦後集合論的な考え方に基づいた彼独自の〈全面的セリー〉の方法による《四つの楽器のためのコンポジション》(1948)等として結実した。1950年代中ごろよりシンセサイザーのための作品を作る一方,抒情的な作品,ジャズ的要素を用いた作品もある。なお,早くから評論活動を行っており,《新音楽展望》誌の編集にかかわっている。理論的著作も多い。
執筆者:庄野 進
アメリカの批評家。ハーバード大学のロマンス語,フランス文学の教授として,1920年代の倫理的批評〈ニュー・ヒューマニズム〉の指導的位置にあり,T.S.エリオットの一面の師でもある。主著《ルソーとロマンティシズム》(1919)で,ルソー的な近代ロマン主義を,放恣で反逆的な主情主義として徹底的に攻撃し,古典主義の均整を基準とする批評,人間の内的抑制,訓練を重んじた。
執筆者:桂田 重利
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…そしてベストセラー作家というレッテルが彼に劣等感を与えた。《本町通り》では理想家肌の若妻により中西部田舎町の因襲が批判され,《バビット》(1922)では,中西部の商業都市ジーニスに住む俗物実業家が因襲にささやかな反抗を試みるが,結局服従する姿を戯画として描いた。研究所の資本主義体制と闘う良心的で研究熱心な科学者を描いた《アロースミス》(1925)は,ある科学者との共同調査に基づいた作品で,少なくとも主人公は戯画の対象にされていない。…
…【家田 修】。。…
※「バビット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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