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バルト神話 バルトしんわBaltic mythology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バルト神話
バルトしんわ
Baltic mythology

リトアニア人,ラトビア人など,インド=ヨーロッパ語の一派のバルト語に属する言語を話す諸民族が,キリスト教に改宗する以前に所有していた神話。バルト神界の主神は,北欧神話のトルと酷似した雷神ペルクナスで,このほかに「天の父」と呼ばれる至高神があり,ギリシア神話ディオスクロイやインドのアシュビンなどを思わせる双子の息子をもつと考えられた。太陽と月は夫婦とみなされ,暁の明星も女神として尊崇された。ペルクナスに次いで最も重要であったのは,大地母神のゼミナで,彼女にはゼメパティスと呼ばれる兄弟があるとされた。ギリシア神話のモイライと似た運命の女神ライマは,産褥にある女性のために絹の敷布を織って寝床をおおい,生れてくる子の未来を予言すると信じられた。死者の国は,ラトビアでベルマテと呼ばれた恐ろしい女神の支配下にあるとされ,ラトビアではこのほか,火,水,海,森,野,風などもそれぞれの母神マテをもつと考えられた。

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世界大百科事典 第2版の解説

バルトしんわ【バルト神話】

インド・ヨーロッパ語族バルト語派の言語を話す民族であるラトビア人,リトアニア人,プロイセン人の神話を指す。バルト地域はヨーロッパに残された最後の異教徒の土地として知られ,12世紀末以来異教撲滅を旗印とするドイツ騎士修道会の侵攻の舞台となった。バルト諸語の文献が現れるのはキリスト教が普及し始める15~16世紀以後のことで,異教時代のバルト神話は完全には保存されていない。しかし13世紀以降ドイツ人修道会士らが伝える各種年代記,教会巡察記録等の古文献には,バルト人が崇拝した異教の神々,祭場,儀式などの,かなり豊富な資料が残されている。

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