日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
バーバー(Homi Jehangir Bhabha)
ばーばー
Homi Jehangir Bhabha
(1909―1966)
インドの理論物理学者。ケンブリッジ大学に学び、バンガロール(現、ベンガルール)のインド科学研究所の教授を経て、1945年ボンベイ(現、ムンバイ)のタタ研究所の所長になった。素粒子物理学の分野で優れた業績をあげた。とくに1936年にハイトラーと共同で提出した宇宙線のカスケード・シャワーの理論は、この種の高エネルギー現象を量子電気力学の適用限界内でみごとに説明したものとして知られる。
そのほか中間子論の展開への貢献(1938)、五次元の理論などの寄与があり、第1回国際原子力技術会議(1955)には議長を務めるなど、国際的にも活発に活動した。1966年、インド航空機事故のため急逝。
[藤村 淳]
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