ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パプアバラット州」の意味・わかりやすい解説 パプアバラット〔州〕パプアバラットPapua Barat インドネシアの州。ニューギニア島西端のボンベライ半島とドベライ半島およびその西方のラジャアンパット諸島からなる。北は太平洋,北東はチェンデラワシ湾,南東はパプア州,南はバンダ海,西はベラウ湾とセラム海,北西はハルマヘラ海に接する。州都は北東部沿岸に位置するマノクワリ。2003年パプア州からイリアンジャヤバラット州として分離,2007年現名称となった。州域の大部分は森林に覆われているが,20世紀後半以降,おもに商業伐採とヤシ農園への転用のため森林破壊が急速に進んでいる。動物区としてはオーストラリア区に属し,有袋類やヒクイドリなどが生息する。ラジャアンパット諸島付近のサンゴ礁は絶滅の危機に瀕する生物多様性ホットスポットとして有名。住民は先住民が多いが,ほかの地域,特にジャワ島やスラウェシ島からの移住者が増えたため,先住民の人口に占める割合が減り,21世紀初頭には諸集団を合わせても 3分の2になっている。先住民はパプア諸語に属するさまざまなことばを話すが,移住者たちの間ではおもにオーストロネシア語族の言語が使われる。住民の半数以上はキリスト教徒である。経済の中心は農業で,労働人口の半数以上が農業に従事し,州の収入に大きく貢献している。おもな生産物は米,キャッサバ,ヤムイモなどで,ナツメグ,ギネアアブラヤシ,ココアは重要な商品作物。サービス業や貿易業,製造業も行なわれる。鉱業生産は石油製品に集中しているが,銅,金,ニッケルなどの鉱物資源も豊富。面積 9万7024km2。人口 76万422(2010速報値)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by