改訂新版 世界大百科事典 「パリ外国宣教会」の意味・わかりやすい解説
パリ外国宣教会 (パリがいこくせんきょうかい)
Société des Missions Étrangères de Paris
東洋におけるキリスト教宣教で大きな役割を演じたフランスの教区司祭の会。1663年パリに大神学校を設立,翌年ローマの認可を受ける。フランス革命期の迫害,フランスを取り巻く諸国による圧迫などの困難にうちかって,修道会以外の組織としては初めて外国宣教に乗り出し,過去3世紀間東洋で宣教した約4000人の会員のうちから163人の殉教者を出した。日本へは1844年(弘化1)フォルカードThéodore Augustin Forcade(1816-85)がフランス軍艦で琉球に到着したのが最初であり,59年(安政6)にはジラールPrudence Séraphin Barthélemy Girard(1821-67)がフランス総領事一行とともに,寛永の禁教以後はじめての公認されたカトリック宣教師として江戸に入った。現在日本では函館,東京,静岡,神戸,北九州市を拠点に活動している。
執筆者:稲垣 良典
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報