日本大百科全書(ニッポニカ) 「パンチカードシステム」の意味・わかりやすい解説
パンチカードシステム
ぱんちかーどしすてむ
punched card system
カードに穿孔(せんこう)されたデータを処理するシステム。略してPCSともいう。コンピュータが普及する前に用いられたシステムで、分類機sorter、照合機collator、作表機tabulatorといった単体の機械を使用した。パンチカードシステムは、1890年に行われたアメリカの国勢調査の集計に、ホレリスが考案したパンチカードおよび電気作表システムが用いられたのが最初である。パンチカードは、その後、コンピュータの入出力媒体として用いられるようになり、コンピュータの普及に役だった。なお、ホレリスは、パンチカードを用いた統計機械を開発・製造するタビュレイティング・マシン社を設立したが、この会社が1924年インターナショナル・ビジネス・マシンズ・コーポレーションとなり、今日のIBMへと発展した。広く用いられていた80欄カードをIBMカードとよんだり、12段ある穿孔位置を用いて英字、数字および特殊記号を表現するためのコードをホレリスコードとよんだりするのは、このような歴史的理由による。
[土居範久]