ヒメコガネ(読み)ひめこがね

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメコガネ」の意味・わかりやすい解説

ヒメコガネ
ひめこがね / 姫金亀子虫
[学] Anomala rufocuprea

昆虫甲虫コガネムシ科に属する昆虫。日本各地のほか朝鮮半島、樺太(からふと)(サハリン)にも分布する。体長13~16ミリ。中形のコガネムシで、背面赤銅、緑銅、黒藍(こくらん)色など変化があり、上ばねは褐色のこともある。前胸背面中央は光沢が鈍いことが多い。腹部第1~第3節の両側には縦の稜線(りょうせん)がある。成虫は6月ごろから現れ、マメ類、ブドウ、クリをはじめ多くの植物の葉を食害し、幼虫土中にいるジムシで、植物の根を食べ農作物苗木などに害を与えることがある。1世代の期間は1、2年である。

[中根猛彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒメコガネ」の意味・わかりやすい解説

ヒメコガネ
Anomala rufocuprea

鞘翅目コガネムシ科。体長 12~16mm。体は卵形色彩の変化が多く,背面は緑,青藍,赤褐色などであるが,頭部と前胸背が緑色で上翅が褐色のものもある。上翅には光沢があり,隆条は不明瞭で,外縁の隆起は中央後方で消える。前胸背中央部は光沢を欠く。成虫はダイズの葉を食害するので知られるが,その他,サクラ,ブドウなど多くの植物の葉も食べ,また幼虫は地中で農作物の根を食害する。北海道本州,四国,九州,朝鮮,サハリンに分布し,灯火に集る。

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百科事典マイペディア 「ヒメコガネ」の意味・わかりやすい解説

ヒメコガネ

コガネムシ科の甲虫の一種。日本全土に分布。体長15mm内外,体色は緑,青,銅赤,くり色など種々。成虫は夏に出現,ダイズ,ブドウなど各種植物の葉を食害する。幼虫も土中で植物の根を食害する。
→関連項目コガネムシ

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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「ヒメコガネ」の解説

ヒメコガネ
学名:Anomala rufocuprea

種名 / ヒメコガネ
解説 / 豆類、ブドウなどの葉を食べます。色彩に変異があります。
目名科名 / コウチュウ目|コガネムシ科
体の大きさ / 13~17mm
分布 / 北海道~九州
成虫出現期 / 6~8月

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世界大百科事典(旧版)内のヒメコガネの言及

【ドウガネブイブイ】より

…多くの個体は翌年の初夏のころ蛹化(ようか),次いで成虫となる。同属のヒメコガネA.rufocupreaは体長が15mm内外。緑色のほか,赤銅色,青藍色と色彩に変化が見られる。…

※「ヒメコガネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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