ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒラー」の意味・わかりやすい解説
ヒラー
Hiller, Dame Wendy
[没]2003.5.14. ビーコンズフィールド
イギリスの舞台・映画女優。18歳でマンチェスター・レパートリー劇場に入団し,数年にわたり役者兼舞台監督を務めた。1935年ロンドン,1936年ニューヨークで上演された戯曲 "Love on the Dole"の演技で初めて高く評価され,のちにこの作品の共同脚本家ロナルド・ガウと結婚している。1936年には劇作家ジョージ・バーナード・ショーに抜擢され,マルバーン・フェスティバルで上演された『聖ジョーン』Saint Joanに主演。さらにショーのあと押しにより,映画『ピグマリオン』Pygmalion(1938)で花売り娘イライザ役をつかみ,アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。『旅路』Separate Tables(1958)では,アルコール依存症の投宿客との関係に悩むホテルの女経営者を好演し,アカデミー賞助演女優賞を受賞。『わが命つきるとも』A Man for All Seasons(1966)でも助演女優賞候補となった。舞台『ドライビング・ミス・デイジー』Driving Miss Daisy(1988)のロンドン公演では主役を演じた。1975年デームの称号を授与された。
ヒラー
Hiller, Johann Adam
[没]1804.6.16. ライプチヒ
ドイツの作曲家,指揮者。 1751年にライプチヒに行き,ハープシコード,フルートの奏者,歌手,作曲などで生計を立てたが,66年にドイツ最初の音楽専門誌『週刊ニュース』 Wöchentliche Nachrichtenを発行。他方,63年から指揮をとった予約演奏会は 81年に「ゲバントハウス音楽会」に発展した。この間ドイツ・ロマン派オペラの先駆となった多くのジングシュピールを作曲。代表作は『狩り』 (1770) 。
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