ビアン(読み)びあん(英語表記)Boris Vian

日本大百科全書(ニッポニカ)「ビアン」の解説

ビアン
びあん
Boris Vian
(1920―1959)

フランスの小説家。パリから遠くないビル・ダブレーの生まれ。第二次世界大戦後出現した実存主義者のなかにいながら実存主義に追随せず、独自の小説『うたかたの日々』(1947)、『北京(ペキン)の秋』(1947)、『心臓抜き』(1953)などを発表したが、翻訳と見せかけた偽作『墓に唾(つば)をかけろ』(1947)が告発されて罰金刑を受ける不祥事が起こり、生前は文学者として正当に評価されずに終わった。晩年はジャズ・トランペット奏者、シャンソン作詞作曲者兼歌手として生きた。死後数年して競って読まれだし異常な人気作家となった。作品の特色はユーモア、幻想、言語遊戯に満ちた黒い笑いである。戯曲『帝国建設者』(1959)、『将軍たちのおやつ』(1962)、詩集『ぼくたちはくたばりたくない』(1963)など、いずれも衝撃的な迫力をもつ。

[曽根元吉]

『『ボリス・ヴィアン全集』全13巻(1979~1982・早川書房)』『ボリス・ヴィアン著、曽根元吉訳『日々の泡』(新潮文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ビアン」の解説

ビアン
Vian, Boris

[生]1920.3.10. パリ,ビルダブレー
[]1959.6.23. パリ
フランスの小説家,劇作家エコール・サントラル (国立高等工業学校) で冶金学を学ぶ。シュルレアリスムと実存主義の風土のなかで生きた戦後派の典型として,演劇,小説,詩,ジャーナリズムなど多方面に才能を発揮し,さらにはジャズ・トランペッター,シャンソン歌手としても活躍した。小説『墓につばをかけろ』J'irai cracher sur vos tombes (1946) ,『日々の泡』L'Écume des jours (47) ,『心臓抜き』L'Arrache-Cœur (53) ,詩集『死ぬのはいやだ』 Je voudrais pas crever (63) ,戯曲『帝国の建設者』 Les Batisseurs d'empire ou le schmürz (59) のほか,『ジャズの歴史』 Chroniques de jazz (67) などがある。

ビアン
Vien, Joseph-Marie

[生]1716.6.18. モンペリエ
[没]1809.3.27. パリ
フランスの画家。パリで C.ナトアールのもとで制作後,ローマに行き5年間滞在,1750年パリに帰る。ケイリュス伯の庇護を受け,54年にはアカデミー会員。彼の画室は多くの弟子を擁したが J.ダビッドもその一人。 60年代より新古典主義を唱道し,ロココ的情調と古典主義との仲介的な役割を果したといえよう。 75年ルイ 16世の御用画家となる。主要作品『祝婚の神殿』 (1773,シャンベリー市庁舎) ,『愛の商人たち』 (フォンテンブロー宮) 。

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