フィグネル(英語表記)Figner, Vera Nikolaevna

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フィグネル
Figner, Vera Nikolaevna

[生]1852.7.7. カザン
[没]1942.6.15. モスクワ
ロシアの女性革命家。ナロードニキの「人民の意志 (党) 」に属し,皇帝アレクサンドル2世暗殺を企てた。 1883年逮捕され,シリュッセリブルグ監獄で 20年間過した。 1906年許されて国外に出,社会革命党 (エス・エル) に加わったが,15年ロシアに戻り,晩年は文筆活動に従事した。回想記『忘れえぬ事業』 Zapechatlënnyi trud (2巻,1921~22) がある。

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百科事典マイペディアの解説

フィグネル

ロシアの女性革命家,社会運動家。森林監督官をつとめる貴族の家に生まれ,1870年に結婚。夫と妹リジアとともにチューリヒ大学医学部に留学するが,友人や妹の影響で革命運動に志し,1875年帰国,村の補助医として農民工作を行う。1879年革命組織〈人民の意志〉派が結成されると,その執行委員会に参加。テロ活動により帝政を打倒,社会主義の樹立を目指すという主張のもとで,1881年皇帝アレクサンドル2世の暗殺に荷担した。1883年逮捕され死刑を宣告されるが,終身刑に減刑されて1904年まで独房生活を送った。釈放後しばらく郷里で過ごした後,1906年国外に出て,革命政党エス・エル党に入る。1908年に党幹部アゼフの裏切りが明らかになると政治から身を引き,政治犯の救援運動を始め,1915年に帰国。1917年の革命後もソビエト政権下の政治犯救援運動を支援した。《忘れえぬことども》2巻(1921年−1922年)など回想録を多く残している。

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世界大百科事典 第2版の解説

フィグネル【Vera Nikolaevna Figner】

1852‐1942
ロシアの女性革命家,社会運動家。森林監督官をしていた貴族の娘として生まれ,カザンの女子学院を経て,1870年に結婚した夫,妹リジアとともにチューリヒ大学医学部に留学した。友人や妹の影響で革命運動に献身するつもりで75年帰国。村の補助医として農民工作を行ったが行きづまり,79年,人民の意志派執行委員会に加入,皇帝アレクサンドル2世暗殺の企てに参加した。81年の暗殺成功後,執行委員会の国内唯一の代表として活動したが,83年逮捕された。

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