フェレル(英語表記)Ferrel, William

  • 1817―1891
  • William Ferrel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

[生]1817.1.29. ペンシルバニア,フルトンカウンティ
[没]1891.9.18. カンザス,メイウッド
アメリカ合衆国の気象学者。気象力学の開拓者。10年にわたって教師を務めたのち,1854年ナッシュビルに学校を創設。1857年アメリカ航海暦局,1867年沿岸測地調査局,1882年信号局に勤務。気流暴風雨の研究,特に地球自転が気流の方向に及ぼす影響に関する法則で知られ,『大気環流論』(1856)を発表した。また満潮干潮を予測するための計器を発明した。『気象学研究』Meteorological Researches(3,1877~82)のほか,多数の著作がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

1817‐91
アメリカの海洋学者,理論気象学の先駆者。ペンシルベニアに生まれ,生涯独身ですごした。家が貧しかったので農業に従事するかたわら,独学で勉強し,苦学を重ねて1844年ベサニー大学を卒業した。その後教師をしながら勉強をし,ニュートンの《プリンキピア》を読み,その影響を受け,潮汐の研究を行った。57年編暦局に入り,79年海軍の信号局(アメリカ気象局の前身)に入って86年退職した。この間,大気の運動に関する力学的な研究をすすめ,大循環や熱対流による低気圧の生成などを論じた《風の話Popular Treatise on the Wind》(1886)など気象に関する数冊の著書がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アメリカの気象学者。理論気象学、大気大循環論などに貢献した。ペンシルベニア州の貧しい農家に生まれ、独学して同州のマーシャル大学に入学したが学資が続かず退学、ふた冬ほど学校の教師をして貯金したのちベサニー大学に移って卒業した。1857年、航海暦局技師となり天文や潮汐(ちょうせき)の研究などを行った。1879年に信号局に招かれ、気象学の研究に専念した。彼の研究では大気大循環論がもっともよく知られ、間接循環として生じた中緯度循環は現在フェレル循環とよばれる。また『風読本』A Popular Treatise on Winds(1889)ほかの専門的総合報告書は当時広く読まれた。

[根本順吉]

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