フォイエルバハ(読み)ふぉいえるばは(英語表記)Paul Johann Anselm von Feuerbach

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フォイエルバハ(Paul Johann Anselm von Feuerbach)
ふぉいえるばは
Paul Johann Anselm von Feuerbach
(1775―1833)

ドイツの刑法学者。哲学者ルートウィヒ・フォイエルバハの父。イエナ市の近郊ハイニッヒェンに生まれる。1799年母校イエナ大学の私講師となり、以後イエナ、キール、ランツフートの諸大学の教授となったが、1805年教壇を去ってバイエルン州の枢密顧問官補となり、その間に刑法制定事業に従事し、1813年のバイエルン刑法を生み出した。また、1806年に彼の努力で拷問が廃止されたことは有名である。1814年から死に至るまで、バンベルク、アンスバハの各控訴院長を歴任した。その刑法理論はカント哲学に立脚した合理主義で、人間は犯罪によって得られる快楽と刑罰によって得られる苦痛とを比較しながら行動するものだとする、いわゆる心理強制説を主張し、その結果、刑罰は犯罪によって得られる快楽に対応する苦痛を内容とするものでなければならず、しかも刑罰はあらかじめ国民に予告されていなければならないとする、いわゆる罪刑法定主義が強調されることとなった。ドイツにおける近代刑法学の創立者とされるゆえんである。[西原春夫]
『菊池栄一・宮沢浩一訳『一法律家の生涯』(『ラートブルフ著作集7』所収・1963・東京大学出版会)』

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