フォス(英語表記)Lukas Foss

改訂新版 世界大百科事典 「フォス」の意味・わかりやすい解説

フォス
Lukas Foss
生没年:1922-

ドイツ生れのアメリカの作曲家,指揮者。1937年渡米,カーティス音楽学校学び,さらにクーセビツキーに指揮,ヒンデミットに作曲を学んだ。53-62年カリフォルニア大学ロサンジェルス校作曲科教授,63-70年バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督,72年よりイスラエル交響楽団指揮者など各地での指揮活動を通じて,20世紀音楽の紹介に努めている。初期の新古典主義的作風を示す作品として,カンタータ大草原》(1942)があり,調性を捨てセリーや管理された偶然性を用いる50年代以降の作品に,ソプラノと管弦楽のための《タイム・サイクル》(1960),室内楽のための《エコイ》(1963),テープ音を用いる《チェロ協奏曲》(1966)などがある。
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フォス
Johann Heinrich Voss
生没年:1751-1826

ドイツの詩人。〈ゲッティンゲン森の詩社〉の同人。極貧小作人の子として,《農奴》(1774)等でドイツ抒情詩に社会告発の風刺的傾向を加えた。後に,《七十歳の誕生日》(1780)等の明るい田園詩の世界へ移った。最も重要な業績翻訳で,彼の《オデュッセイア》(1781),《イーリアス》(1793)によって,ホメロスは初めてドイツ人のものになったといわれる。晩年はロマン主義文学に敵対,孤立した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォス」の意味・わかりやすい解説

フォス
Voss, Johann Heinrich

[生]1751.2.20. ゾンマースドルフ
[没]1826.3.29. ハイデルベルク
ドイツの詩人,翻訳家。「ゲッティンゲン林苑同盟」 Göttinger Hainbundの中心人物。 1776~80年『ゲッティンゲン詩神年鑑』 Göttinger Musenalmanachを発刊。『70歳の誕生日』 Der siebzigste Geburtstag (1780) ,『ルイーゼ』 Luise (95) のような田園詩で有名であるが,むしろ『オデュッセイア』 (81) ,『イリアス』 (93) などの古典の翻訳で高く評価されている。これはゲーテ,シラーに大きな影響を与えた。そのほかシェークスピアの翻訳もある。

フォス
Vos, Cornelis de

[生]1584?. フルスト
[没]1651.5.9. アントウェルペン
フランドルの画家。1608年アントウェルペンで親方として登録。その後ペーテル・パウル・ルーベンスの工房で制作。アンソニー・ファン・ダイクの友人。明るい色調と優雅で誠実な描写で上流階級に広く顧客をもった。主要作品『アブラハム・グラフェウス』(1602,アントウェルペン王立美術館),『画家とその家族』(1621,ベルギー王立美術館)など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォス」の意味・わかりやすい解説

フォス
ふぉす
Johann Heinrich Voss
(1751―1826)

ドイツの詩人。メクレンブルクの生まれ。ゲッティンゲン詩派に加わり、1775年以降は『ゲッティンゲン文芸年鑑』の編集者。シラーが、その小市民的な生活感情の素朴さを絶賛した『ルイーゼ』(1795)にみられる田園詩形式を得意とし、古典期のゲーテにも影響を及ぼした。またホメロスの精神をみごとに再生させたドイツ語訳『オデュッセイア』(1781)、『イリアス』(1793)の翻訳家としても知られる。

[新保弼彬]

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世界大百科事典(旧版)内のフォスの言及

【コラージュ】より

…こうした用語は1960年代になって登場してきたもので,もともとは美術用語からの転用である。たとえばL.フォスの《バロック変奏曲》では,第1楽章ではヘンデルの合奏協奏曲,第2楽章ではスカルラッティのソナタ,第3楽章ではバッハのパルティータの断片を引用して奏する。それに弦楽器のグリッサンドなどの現代的な手法を重ねたりして,集積し,コラージュしながら,原曲をまったく異なった世界へとかたちづくる。…

※「フォス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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