コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

フマル酸 フマルさんfumaric acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フマル酸
フマルさん
fumaric acid

トランス-1,2-エチレンジカルボン酸のこと。不飽和二塩基酸で,マレイン酸幾何異性体。無色柱状晶または針状晶。融点 300~302℃ (封管中) 。封管中,水と 150~170℃に熱するとマレイン酸となる。水に難溶,種々の植物中に存在する。生化学的にはクエン酸サイクルや C4 -ジカルボン酸サイクルに関与し,アンモニウムイオンの存在では,アスパルターゼの作用でL-アスパラギン酸に変化するなど,重要な物質である。次の構造をもつ。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

百科事典マイペディアの解説

フマル酸【フマルさん】

最も簡単な不飽和ジカルボン酸C4H4O4。無色の結晶。融点300〜302℃(封管中)。水に微溶,エタノールに可溶。マレイン酸幾何異性体にあたる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

フマルさん【フマル酸 fumaric acid】

最も簡単な不飽和ジカルボン酸。構造的にはトランス型で,シス型のマレイン酸の幾何異性体である。遊離の酸としてケシ科カラクサケマン属Fumariaなど多くの植物中に含まれているため,この名がある。また,ある種のコケ類にも含まれている。融点300~302℃(封管中)の特異な酸味を有する無色の針状結晶で,200℃付近で昇華する。エチルアルコール可溶,水,エーテル,アセトンに難溶,ベンゼンには不溶。マレイン酸よりは安定であるが,融点付近で加熱すると無水マレイン酸と水に分解する。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フマル酸
ふまるさん
fumaric acid

不飽和ジカルボン酸の一つ。マレイン酸の幾何異性体である。化学式C4H4O4、分子量116.1。一つの二重結合に二つのカルボキシ基-COOHをもつ化合物のうち、二重結合の反対側(トランスtrans)に二つのカルボキシ基をもつのがフマル酸、同じ側(シスcis)に二つのカルボキシ基をもつのがマレイン酸で、両者は幾何異性体の関係にある。

 天然には、アイスランド産のコケや菌類中に遊離の酸の形で存在し、動物体内での物質代謝サイクルの一員としても重要である。
 フマル酸発酵により得られるが、マレイン酸の異性化により製造することもできる。融点300~302℃(封管中)、昇華性がある無色の結晶。水、エタノール(エチルアルコール)には溶けるが、エーテルには溶けにくく、ベンゼンには溶けない。高温に保つと無水マレイン酸に変化する。合成樹脂や染料の原料として用いられる。[廣田 穰]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

フマル酸の関連キーワードフマル酸テノホビルジソプロキシルアルギニノコハク酸リアーゼシスマレイン酸(データノート)フマル酸(データノート)不飽和ポリエステル樹脂セント・ジェルジ回路シスアンモニアリアーゼアルギニノコハク酸アンモニウムイオンウィスリツェヌスアルカプトン尿症セント=ジェルジコハク(琥珀)酸アスパラギン酸抗ヒスタミン薬セントジェルジイソメラーゼビリアード錠

今日のキーワード

俳句甲子園

1998年から松山市で開かれる全国高等学校俳句選手権大会。高校生が5人1組で句の優劣をディベートで競い合う。チームでの勝敗とは別に、個人の最優秀句も選ぶ。今年は過去最多の41都道府県から121校、15...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

フマル酸の関連情報